自己点火

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核融合の夢: 自己点火条件とは

- 核融合の火を灯す核融合とは、軽い原子核同士が超高温・超高圧状態で衝突し、より重い原子核へと変化する際に膨大なエネルギーを放出する反応です。この反応は、私たちの太陽をはじめとする恒星のエネルギー源となっています。人類にとって、核融合は夢のエネルギー源として長年研究されてきました。なぜなら、核融合は理論上、現在の原子力発電に比べてはるかに多くのエネルギーを生み出すことができ、しかも、二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギー源となりうるからです。しかし、地球上で核融合反応を起こすことは容易ではありません。太陽の中心部では、とてつもない重力によって高温・高圧の状態が自然に作り出されています。しかし、地球上で同じような環境を作り出すには、太陽の中心部よりもさらに高温のプラズマ状態を人工的に作り出す必要があります。プラズマとは、物質が原子核と電子に分かれた状態のことで、核融合反応を起こすためには、このプラズマを1億度以上の超高温で閉じ込めておく必要があるのです。現在、世界中で様々な方法を用いて、核融合反応の実現に向けた研究開発が進められています。中でも、最も有力視されているのが、磁場閉じ込め方式と呼ばれる方法です。これは、強力な磁場を使ってプラズマを閉じ込める方法で、国際共同プロジェクトとして進められているITER(国際熱核融合実験炉)計画などが代表的な例です。核融合の実現には、まだまだ多くの課題が残されていますが、もし実現すれば、人類はエネルギー問題から解放され、より豊かな未来を手にすることができるでしょう。
原子力発電の基礎知識

エネルギーの鍵、Q値とは?

物質を構成する小さな粒の一つに、原子核と呼ばれるものがあります。原子核は、陽子と中性子という、さらに小さな粒子がぎゅっと集まってできています。 この原子核が分裂したり、逆に合体したりする現象を原子核反応と呼びます。原子核反応は、私たちの身の回りにある様々なエネルギー源に利用されています。 原子核反応が起こると、反応の前後で質量にわずかな差が生じます。このわずかな質量の差が、莫大なエネルギーに変換されるのです。これは、かの有名な物理学者アインシュタインが提唱した、E=mc²という式で表されます。 この式は、エネルギーと質量が密接に関係していることを示しています。つまり、ほんのわずかな質量であっても、莫大なエネルギーに変換できることを意味しているのです。原子力発電は、この原子核反応の原理を利用し、質量をエネルギーに変換することで、膨大な電力を生み出しています。