地球に優しい空調:蓄熱システムの仕組みとメリット
- 蓄熱システムとは蓄熱システムとは、その名のとおり熱エネルギーを一時的に貯蔵し、必要な時に取り出して利用するシステムです。私たちの身の回りにも、この仕組みを利用したものが多く存在します。例えば、夜間の割安な電気を使って温めたお湯を貯めておき、日中シャワーなどに利用する電気温水器も、蓄熱システムの一種と言えるでしょう。蓄熱システムは、熱を蓄える方法によって、水や氷、土壌などの物質の温度変化を利用する「顕熱蓄熱」と、物質の融解や凝固、蒸発や凝縮といった状態変化に伴う熱の出入りを利用する「潜熱蓄熱」に大別されます。さらに、利用する温度帯によっても分類され、室温程度の熱を扱う「低温蓄熱」、数百℃以上の高温の熱を扱う「高温蓄熱」などがあります。近年注目されているのが、空調分野における蓄熱システムの活用です。これは、夜間電力などの割安な電力を使って冷水や温水を作り、貯めておくことで、日中のピーク時の電力需要を抑制し、省エネルギー化に貢献するものです。オフィスビルや商業施設など、大規模な建物の空調システムに導入が進められています。このように、蓄熱システムは、エネルギーの効率的な利用や再生可能エネルギーの活用に貢献する技術として、今後ますますその重要性を増していくと考えられます。