
放射性物質の体内蓄積と親和性臓器
私たちは、普段の生活で呼吸をするように、知らず知らずのうちに放射性物質を体内に取り込んでいます。放射性物質は、目に見えたり、匂いを発したりしないため、気づかずに体内に取り込んでしまうことがほとんどです。
放射性物質が体内に侵入する主な経路として、呼吸、飲食、そして皮膚からの吸収が挙げられます。
まず、呼吸による放射性物質の取り込みについて説明します。原子力発電所の事故などで放射性物質が空気中に放出された場合、私たちは汚染された空気を吸い込むことで、放射性物質を肺に取り込みます。肺に取り込まれた放射性物質の一部は、血液中に吸収され、体内の様々な臓器に運ばれます。
次に、飲食による取り込みについてです。放射性物質は、雨水や地下水に溶け込み、土壌に蓄積することがあります。汚染された水や土壌から育った農作物や、その農作物を餌とした家畜を摂取することで、私たちは放射性物質を体内に取り込むことになります。
最後に、皮膚からの吸収についてですが、これは主に、傷口などから放射性物質が付着した場合に起こります。健全な皮膚は、放射性物質の侵入を防ぐバリアの役割を果たしますが、傷口などがあると、そこから体内に侵入しやすくなるため注意が必要です。