蛍光作用

放射線について

X線の基礎と原子力分野における活用

日常生活で耳にする「X線」。実は、光や電波と同じ仲間で、目には見えない電磁波と呼ばれる波の一種です。電磁波は、波の長さによって性質が異なり、波の短い方から順に、ガンマ線、X線、紫外線、可視光線、赤外線、電波と分類されます。その中で、X線は、紫外線よりも波長が短く、ガンマ線よりも波長が長い、およそ0.01ナノメートルから10ナノメートル程度の波長を持つ電磁波を指します。これは、原子の大きさに匹敵するほどの短さです。 X線は、物質を透過する能力が高く、レントゲン撮影や空港の手荷物検査など、様々な場面で活用されています。レントゲン撮影では、X線が骨などの硬い組織で吸収されやすく、皮膚などの軟らかい組織を透過しやすい性質を利用して、体の内部の様子を画像化します。また、空港の手荷物検査では、X線が金属などの密度の高い物質を透過しにくい性質を利用して、危険物の有無を検査しています。このように、X線は私たちの生活に欠かせない技術の一つとなっています。
放射線について

放射線とは? – その性質と利用 –

放射線とひとことで言っても、その種類は様々です。大きく分けると、波の性質を持つ電磁波と、粒子の性質を持つ粒子線の2種類に分類されます。 電磁波には、レントゲン撮影でおなじみのエックス線や、原子核の崩壊に伴って放出されるガンマ線などがあります。これらの放射線は、エネルギーが高いのが特徴です。 一方、粒子線には、ヘリウム原子核からなるアルファ線、電子からなるベータ線、電気を帯びていない中性子線などがあります。アルファ線は紙一枚で止まってしまうほど透過力が弱いですが、ベータ線はもう少し透過力が強く、薄い金属板を透過することができます。中性子線は透過力が非常に強く、厚いコンクリートや水でないと遮蔽できません。 これらの放射線は、原子力発電所においても発生します。原子核が分裂する際に、ガンマ線や中性子線が放出され、また、その分裂生成物からはアルファ線やベータ線が放出されます。原子力発電では、これらの放射線を適切に遮蔽し、安全に管理することが重要です。