
放射線と血小板減少症
私たちの体内を流れる血液には、酸素を運ぶ赤血球、細菌などから体を守る白血球、そして出血を止める働きをする血小板の三種類の細胞が存在します。このうち、血小板は血管が傷ついて出血した際に、その部分に集まって塊を作り、傷口を塞いで出血を止める役割を担っています。
通常、血液1マイクロリットルあたり20万から50万個程度存在する血小板ですが、何らかの原因でその数が減ってしまうことがあります。このような状態を血小板減少症と呼びます。血小板数が10万個以下になると血小板減少症と診断され、数が減るほど出血しやすくなります。
血小板減少症になると、鼻血が出やすくなったり、歯茎から出血したり、皮下に内出血による赤い斑点が出現することがあります。さらに、血小板数が極端に減少すると、脳内出血などの重大な出血を引き起こす危険性も高まります。そのため、血小板減少症と診断された場合には、その原因や症状の程度に応じて適切な治療を受けることが重要となります。