血液学

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知られざる血液の病: 慢性リンパ性白血病

- 慢性リンパ性白血病とは私たちの体には、外部から侵入してくる細菌やウイルスなどの異物から身を守る、免疫という機能が備わっています。この免疫機能において中心的な役割を担うのが、血液中に存在するリンパ球という細胞です。リンパ球は、骨髄と呼ばれる骨の中心部で作られ、体内に侵入した異物を攻撃する、抗体という物質を作るなどして、私たちの体を守っています。しかし、慢性リンパ性白血病はこのリンパ球ががん化してしまう病気です。がん化したリンパ球は、正常なリンパ球のように働くことができず、骨髄やリンパ節といったリンパ球が集まる場所で無制限に増殖していきます。その結果、正常な血液細胞が作られにくくなり、貧血や免疫力の低下といった様々な症状が現れます。慢性リンパ性白血病は、白血病の中でも進行が緩やかなタイプとされています。自覚症状が出にくい場合も多く、健康診断などで偶然発見されることも少なくありません。進行がゆっくりであるため、必ずしもすぐに治療が必要となるわけではありませんが、定期的な検査や経過観察が必要となります。
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単球性白血病:その特徴と課題

血液中に含まれる赤血球、白血球、血小板といった細胞は、骨髄の中にある造血幹細胞という細胞から作られています。この造血幹細胞は、分裂と分化を繰り返すことで、必要な血液細胞を供給しています。白血病はこの造血幹細胞に異常が生じる病気で、正常な血液細胞が作られなくなるだけでなく、未熟な白血病細胞が骨髄中で無制限に増殖してしまいます。 白血病細胞が増加すると、骨髄内で正常な血液細胞が作られるスペースが失われていきます。その結果、健康な赤血球の減少による貧血、健康な白血球の減少による免疫力低下、健康な血小板の減少による出血傾向など、様々な症状が現れます。 白血病は大きく4つのタイプに分類されます。 急性骨髄性白血病と急性リンパ性白血病は、白血病細胞が未熟な段階で増殖するため、病気が急速に進行するのが特徴です。一方、慢性骨髄性白血病と慢性リンパ性白血病は、白血病細胞がある程度成熟した段階で増殖するため、比較的ゆっくりと病気が進行します。 白血病の治療法は、タイプや進行度、患者の状態によって異なりますが、主な治療法としては、抗がん剤による化学療法、骨髄移植、放射線療法などがあります。
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造血促進因子: 血液を作る力

私たちの体の中には、毎日新しい血液を作り出す驚くべき工場が存在します。それは、骨の中にある骨髄と呼ばれる組織です。骨髄は、まるで活気あふれる工場のように、様々な種類の血液細胞を生み出す重要な役割を担っています。 この血液細胞工場で働く主人公は、幹細胞と呼ばれる細胞です。幹細胞は、工場で働く前の新人研修中の作業員のようなものです。彼らはまだどの部署に配属されるか決まっていませんが、持ち場につくための訓練を受けることができる特別な能力を持っています。 骨髄という工場の中には、赤血球、白血球、血小板といった血液細胞それぞれの部署が存在します。それぞれの部署からは、幹細胞に対して「赤血球をもっと作ってほしい」「白血球が不足しているぞ」といった指令が出されます。幹細胞はこれらの指令を受けると、必要な部署へと配属され、それぞれの血液細胞へと成長していきます。こうして、私たちの体は毎日休むことなく、新しい血液を供給され続けることができるのです。