製錬

核燃料

原子力発電の要、イエローケーキとは?

原子力発電の燃料となるウランは、 ウラン鉱石と呼ばれる岩石中にわずかに含まれています。しかし、鉱石の状態ではウランの濃度が低く、発電炉で利用できません。そこで、ウラン鉱石を掘り出した採掘現場の近くで行われるのが「粗製錬」と呼ばれる工程です。 まず、採掘されたウラン鉱石を細かく砕く作業が行われます。そして、砕かれた鉱石は、ウランだけを溶かし出す薬品と混ぜ合わされます。この工程を経ることで、ウラン以外の不純物からウランが分離されます。分離されたウランは、さらに乾燥、ろ過といった工程を経て、最終的に黄色の粉末状になります。この黄色の粉末は「イエローケーキ」と呼ばれ、ウラン濃縮工場へと輸送されます。 イエローケーキの状態でも、ウラン235の濃度はまだ低いため、原子力発電の燃料として使用するには、さらなる濃縮工程が必要となります。
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ウラン製錬:原子力発電の燃料を作るまで

私たちの社会を支える電気エネルギー。その供給源の一つである原子力発電所では、ウランと呼ばれる物質が燃料として使われています。しかし、ウランは、そのまま発電所で使用できるわけではありません。原子力発電の燃料となるウランは、自然界に存在するウラン鉱石と呼ばれる鉱物から取り出されます。 ウラン鉱石と一口に言っても、その種類は様々です。代表的なものとしては、黄色い色をした閃ウラン鉱、瀝青ウラン鉱とも呼ばれる黒いピッチブレンド、そして黄色や緑色をしたブランネル石などが挙げられます。これらの鉱石は、世界各地の地層や岩石の中に存在しています。 ウラン鉱石の特徴は、ウランが酸素と結びついた酸化物の形で含まれていることです。このウラン酸化物は、そのままでは原子力発電の燃料として使うことはできません。鉱石から不純物を取り除き、ウランの濃度を高める作業が必要です。こうして精製されたウランは、原子力発電所の燃料として利用され、莫大なエネルギーを私たちに供給してくれるのです。
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原子力発電の燃料ができるまで:製錬工程の役割

- 製錬とは 製錬とは、鉱石という岩石や土壌と混ざり合った状態から、金属を取り出す技術のことです。金属は自然界では純粋な形で存在することは稀であり、ほとんどの場合、鉱石として地中に眠っています。この鉱石から金属を取り出し、私たちの生活で利用できる形にするために製錬は欠かせません。製錬は古代より人類の発展に大きく貢献し、文明を支えてきました。 製錬には、大きく分けて二つの方法があります。一つは高温処理を用いる乾式製錬です。この方法は、鉱石を炉などで高温で熱し、金属を溶かし出すことで分離します。鉄や銅など、比較的融点の高い金属の製錬に用いられます。もう一つは、薬品を用いる湿式製錬です。こちらは、鉱石を酸やアルカリなどの薬品で溶かし、目的の金属だけを抽出する方法です。金やウランなど、乾式製錬が難しい金属の製錬に用いられます。 このように、製錬は金属を得るための重要な工程であり、私達の生活を支える様々な製品の製造に欠かせない技術と言えるでしょう。