
地熱発電の課題:克服すべき壁
- 地熱発電の仕組み
地熱発電は、地球の奥深くに存在する熱エネルギーを活用した発電方法です。 火山活動によって熱せられた高温の岩石やマグマの熱を利用するため、場所を選ばなければなりませんが、太陽光や風力のように天候に左右されずに安定した電力供給が可能な点が大きな魅力です。
地熱発電所の仕組みは、大きく分けて「蒸気井戸」と「発電プラント」の二つから成り立っています。まず、「蒸気井戸」では、地下深くまで掘削した井戸から高温の蒸気を取り出します。この蒸気は、地下の高温な環境によって温められた地下水から発生したものや、マグマの熱で直接温められたものです。次に、取り出した蒸気を「発電プラント」に送り込みます。高温・高圧の蒸気は、タービンと呼ばれる羽根車を勢いよく回転させます。そして、タービンに連結された発電機が回転することで電気が生み出されるのです。
地熱発電は、発電過程で二酸化炭素の排出量が非常に少ないため、地球温暖化対策の切り札として期待されています。また、一度発電所を建設してしまえば、太陽光や風力のように天候に左右されることなく、安定的に電力を供給できるという利点もあります。さらに、地熱エネルギーは日本国内の至るところに存在するため、エネルギーの自給率向上にも貢献できます。