輸送容器

核燃料

原子力の要 キャスクとは

- キャスクの定義原子力発電所では、ウラン燃料が核分裂反応を起こす際に、莫大なエネルギーとともに放射線を出す物質が発生します。これは放射性廃棄物と呼ばれ、人体や環境への悪影響を防ぐため、厳重に管理する必要があります。この放射性廃棄物を安全に保管・輸送するために開発された特殊な容器が、キャスクです。キャスクは、大きく分けて二つの種類に分類されます。一つは、発生した放射性廃棄物を、再処理工場や最終処分場といった場所へ安全に運ぶための輸送容器です。もう一つは、輸送後も長期間にわたって、放射性廃棄物を厳重に保管するための貯蔵容器です。いずれのキャスクも、放射性物質を閉じ込めて外部に漏らさないように、高い安全性が求められます。そのため、分厚い鋼鉄製の容器の中に、さらに放射線の遮蔽能力に優れた鉛やコンクリートなどを幾重にも重ねた構造となっています。また、落下や火災といった厳しい条件下での試験も繰り返し実施され、その安全性が確認されています。キャスクは、原子力発電所の運用において欠かせない、放射性廃棄物管理の要となる重要な設備と言えるでしょう。
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原子力発電の要!核燃料輸送物の安全対策とは?

- 核燃料輸送物とは?原子力発電所を動かすためには、ウランから作られた燃料が必要です。この燃料は、工場で作られた後、発電所まで運ばれ、発電に使われた後は、再び工場へ運んで再処理されます。 この燃料の輸送に使われるのが「核燃料輸送物」と呼ばれる特別な容器です。核燃料輸送物とは、核燃料物質や、その物質に汚染されたものを安全に輸送するために設計された容器に入れた状態のものを指します。 この容器は、非常に頑丈にできており、衝撃、火災、水没などの厳しい条件にも耐えられるように設計されています。輸送される核燃料には、主に、発電所で使うために工場から運ばれる「未使用燃料」と、発電を終えた後に再処理工場へ運ばれる「使用済み燃料」の二種類があります。 未使用燃料は、ウランを加工して作られた燃料集合体という形で輸送されます。一方、使用済み燃料は、放射線量が非常に高いため、より厳重な遮蔽と冷却が必要となります。このように、核燃料輸送物は、私たちの生活を支える電力を安全に運ぶために、重要な役割を担っています。 普段目にする機会は少ないですが、原子力発電を支える重要な技術の一つと言えるでしょう。