
原子力とガンマ線:その特性と利用法
- ガンマ線の発生源
ガンマ線は、原子核がより安定な状態に移行する際に放出される、非常に高いエネルギーを持った電磁波です。
原子核は、物質の性質を決める重要な部分であり、陽子と中性子という小さな粒子が集まってできています。
陽子と中性子の数の組み合わせや、それらの持つエネルギーの状態によって、原子核は様々な状態をとることができます。
しかし、原子核の中には不安定な状態のものも存在します。
このような不安定な原子核は、自発的に余分なエネルギーを放出して、より安定な状態になろうとします。
この過程で放出されるエネルギーが、ガンマ線として観測されるのです。
ガンマ線は、α線やβ線といった他の放射線と比べると、電気を帯びていないという特徴があります。
そのため、物質の中を進む力が非常に強く、厚いコンクリートや鉛などの遮蔽物であっても容易に透過してしまいます。
この高い透過力が、医療現場での画像診断や、工業製品の検査など、様々な分野で利用されています。