
原子力発電の安全を守る:セメントガラス固化技術
- セメントガラス固化とは原子力発電所からは、運転や施設の解体などによって、放射能レベルの低い放射性廃棄物が発生します。この低レベル放射性廃棄物を安全に処理・処分するために、様々な技術が開発されていますが、その中でも注目されている技術の一つがセメントガラス固化です。セメントガラス固化は、その名の通り、セメントを主材料としたガラス状の物質である「セメントガラス」を用いて、放射性廃棄物を固める技術です。セメントガラスは、セメントに加えて、ケイ酸ナトリウムやリン酸ケイ素などを配合し、特殊な処理を施すことで生成されます。セメントガラスは、非常に硬く、長い年月を経ても劣化しにくいという特徴があります。また、酸やアルカリなどの化学物質に対しても強い抵抗性を示し、水にもほとんど溶けません。さらに、セメントガラスは、放射性物質をその構造の中に閉じ込めておく能力が高く、外部への漏洩を防ぐ効果も期待できます。このように、セメントガラス固化は、放射性廃棄物を長期的に安定した状態で固化することができるため、環境への負荷が小さく、将来世代に負担を残さない安全な処分方法として期待されています。