長期安定性

原子力の安全

未来への責任:シンロック固化技術

地球温暖化対策として注目される原子力発電ですが、その運用には、高レベル放射性廃棄物という深刻な問題が付きまといます。高レベル放射性廃棄物は、原子力発電所で使用済み燃料からウランやプルトニウムを取り出した後に残る廃液をガラス固化したもので、極めて強い放射能を持っています。その放射能は、数万年にもわたって減衰し続けるため、環境や人体への影響を考えると、長期にわたる安全な保管が必須となります。 現在、日本では、高レベル放射性廃棄物を地下深くに埋設するという方法が検討されています。地下深くに埋設することで、放射性物質を地層中に閉じ込め、人間や環境への影響を遮断することを目指しています。しかし、適切な埋設場所の選定や、長期的な安全性の確保など、解決すべき課題は少なくありません。 高レベル放射性廃棄物問題は、原子力発電の利用を進めていく上で避けて通れない課題です。将来世代に負の遺産を残さないためにも、安全かつ確実な処理方法の確立が急務となっています。そのためには、国や電力会社だけでなく、私たち国民一人ひとりが問題意識を持ち、継続的な議論と技術開発への支援が求められています。