
中性子ラジオグラフィと間接法
- 見えないものを可視化する技術
皆さんは、病院でレントゲン写真を撮影した経験はありませんか?レントゲン写真では、X線と呼ばれる目に見えない光を使って、私たちの体を透視し、骨の状態などを調べることができます。レントゲン写真と同様に、物体の中の様子を画像にする技術に中性子ラジオグラフィがあります。
中性子ラジオグラフィは、レントゲン写真で用いられるX線の代わりに中性子線を用いる技術です。中性子線は、物質を透過する能力が非常に高く、特に水素のような軽い元素に強く反応する性質があります。この性質を利用することで、X線では観察が難しい水素を含む物質の内部構造や、物質の成分がどのように分布しているかをはっきりと画像化することができます。
例えば、金属でできた容器の内部に水などの液体が sealed 密封されている場合、X線では金属容器に遮られてしまい、内部の液体の状態を詳しく調べることはできません。しかし、中性子線を使えば、金属容器を透過して内部の液体の状態を鮮明に映し出すことができます。このように、中性子ラジオグラフィは、これまで見ることができなかった物体内部の情報を、私たちに教えてくれる、大変画期的な技術と言えるでしょう。