電力市場

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電力自由化:電力市場の競争と顧客の選択肢

かつて日本の電力供給は、地域ごとに決められた電力会社だけが電気を販売できるという、いわゆる独占状態にありました。これは長い間、電気事業法という法律によって定められていました。しかし、世界的に電力市場の自由化が進展する中で、日本もその流れに取り残されるわけにはいきませんでした。 1995年、電気事業法が大きく改正され、電力市場の自由化が始まりました。この自由化は、電気料金の引き下げやサービス向上による消費者利益の増大、そして新規事業者の参入による経済活性化を目的としていました。具体的には、従来の電力会社に加え、新たな電力会社が電力市場に参入できるようになりました。 新たな電力会社は、自ら発電所を建設したり、他の発電事業者から電気を購入したりして、電力供給を行います。また、消費者は従来の電力会社だけでなく、これらの新たな電力会社からも自由に電気を選んで購入できるようになりました。このような競争環境を導入することで、電力会社はより質の高いサービスと低廉な料金を提供しようと努めるようになり、それがひいては消費者や日本経済全体に利益をもたらすと期待されています。
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インドの電力改革:電力共通最小国家行動計画の概要

1990年代後半、インドは深刻な電力不足に直面していました。経済成長を続けるには、電力が足りていなかったのです。工場は稼働率を落とさざるを得ず、人々の生活にも支障が出ていました。この状況を打開するため、1996年、当時の新政権は、国の重要な政策課題として電力問題に取り組み始めました。 多くの州政府や政党と議論を重ねた結果、「電力共通最小国家行動計画」が策定されました。この計画は、単に電気を増やすだけでなく、より使いやすく、無駄のない電力供給体制を築くことを目指していました。これは、インドの電力事情にとって、大きな転換点となる出来事でした。計画には、発電所の建設や送電線の整備といった従来の取り組みだけでなく、電力会社間の競争を促すための規制緩和や、再生可能エネルギーの導入促進といった、新しい試みも盛り込まれていました。
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韓国電力市場の要: 韓国電力取引所

韓国では、電力事業の自由化に向けて、段階的に競争を促す仕組みを取り入れてきました。その中心的な役割を担っているのが、2001年4月に設立された韓国電力取引所(KPX)です。 KPXは、韓国の発電事業者が国営の韓国電力公社に電力を卸売する際の取引を管理しています。これは、発電事業者が電力の価格や販売先を自由に決められることを意味し、競争を促進する効果があります。また、KPXは電力会社間の送電線運用も行っています。これは、ある電力会社が別の電力会社に電力を送る際の手続きや料金を明確化することで、電力流通の効率化を図っています。 これらの役割は、日本の電力市場における日本卸電力取引所(JEPX)と同様のものと言えます。韓国は、KPXを通じて電力市場の自由化を進めることで、電力料金の低下や電力サービスの向上を目指しています。