電力網

その他

分散型エネルギーシステムとマイクログリッド

近年、地球温暖化やエネルギー資源の枯渇といった課題が深刻化する中、エネルギーシステムの転換が急務となっています。従来のエネルギーシステムは、石油や石炭などの化石燃料を大量に消費する大規模な発電所から電力を供給する、いわゆる集中型でした。しかし、このようなシステムは、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出や、エネルギー資源の偏在による安全保障上のリスクなど、様々な問題を抱えています。 そこで、近年注目されているのが、再生可能エネルギーを中心とした地域分散型のエネルギーシステムです。太陽光発電や風力発電など、地域に賦存する再生可能エネルギーを最大限に活用することで、二酸化炭素の排出削減とエネルギーの自給率向上を同時に実現することができます。また、地域分散型システムは、大規模な発電所や送電網への依存度が低いため、災害時にも安定的なエネルギー供給が可能となります。さらに、地域内でエネルギーを地産地消することで、雇用創出や経済活性化にも貢献することができます。 エネルギーシステムの転換は、地球環境の保全と持続可能な社会の実現に向けて、私たち人類にとって喫緊の課題です。再生可能エネルギーの導入促進や省エネルギー技術の開発など、様々な取り組みを進めていく必要があります。
発電方法

進化する電力網:スマートグリッド

- スマートグリッドとは スマートグリッドは、これまでの電力網に情報通信技術を組み合わせた、新しい電力供給システムです。これまでの電力網は、発電所で作られた電気を一方的に家庭や企業に送り届けるだけでした。しかしスマートグリッドでは、電力会社と電力を使う側が情報をリアルタイムでやり取りすることで、より効率的で安定した電力供給を目指します。 例えば、家庭に設置された太陽光発電システムで発電した電気を、電力会社に売ったり、近所の家に供給したりすることが可能になります。また、電気の使用状況を細かく把握することで、無駄な電力の使用を抑えたり、電力料金が安い時間帯に電気をためておくこともできます。 スマートグリッドは、環境問題への対応としても期待されています。再生可能エネルギーは、天候に左右されやすく、電力の供給が不安定になりがちです。スマートグリッドによって、再生可能エネルギーを効率的に利用し、安定した電力供給を実現することで、地球温暖化対策にも貢献することができます。
発電方法

電気を届ける力持ち:送電の秘密

私たちの生活に欠かせない電気は、発電所で生み出された後、長い道のりを経て、家庭やオフィスなどに届けられます。発電所で作られた電気は、そのままの電圧では、遠くまで送電する間に大きなエネルギーロスが発生してしまいます。そこで、電気を効率よく送るために、変電所という施設で電圧を変換する必要があります。 発電所で作られた電気は、まず、発電所内にある変電設備によって、送電に適した高い電圧に変えられます。その後、鉄塔と送電線で繋がれた変電所へと送られます。変電所では、送られてきた高電圧の電気を、地域ごとに適した電圧に変換する役割を担っています。変電所を出た電気は、電柱の上にある変圧器を通ることで、家庭やオフィスなどでも安全に使える電圧へと変換され、私たちのもとへと届けられます。 このように、発電所で作られた電気は、変電所での電圧変換という重要なプロセスを経て、私たちの生活を支えるエネルギーとして活躍しています。
太陽光発電

太陽光発電と電力網: グリッド連携の重要性

太陽光発電システムを考える上で、「グリッド」は切っても切り離せない重要な要素です。グリッドとは、電力会社が発電所で作った電気を、家庭や会社などに届けるための電気の通り道のネットワークのことです。例えるなら、発電所が水源、家庭や会社が蛇口、そしてグリッドは水道管のようなイメージです。 太陽光発電システムはこのグリッドに接続することで、様々なメリットが生まれます。まず、太陽光発電システムで発電した電力が自宅で使いきれない場合、余った電気をグリッドに送り、電力会社に買い取ってもらうことができます。これを「売電」と呼びます。逆に、夜間や雨の日など、太陽光発電システムだけでは電力が足りない場合は、グリッドから電気を受け取ることができます。 このように、太陽光発電システムはグリッドに接続することで、電力の供給と利用を効率的に行うことができます。 グリッドとの連携こそが、太陽光発電システムをより便利で経済的なシステムにするための鍵と言えるでしょう。