
原子力発電の基礎:核外電子
原子力発電の仕組みを理解するには、まず物質の成り立ちと、その中心にある「原子」の構造を理解する必要があります。すべての物質は、目に見えないほど小さな「原子」という粒が集まってできています。
原子は、さらに小さな粒子で構成されています。中心には「原子核」があり、その周りを「電子」が雲のように飛び回っている構造をしています。原子核は「陽子」と「中性子」という粒子でできています。陽子はプラスの電気、中性子は電気的に中性を持っており、そのため原子核全体ではプラスの電気を帯びています。一方、電子はマイナスの電気を帯びており、原子核のプラスの電気と引き合って、原子核の周りを高速で運動しています。
プラスの電気を持つ原子核と、マイナスの電気を持つ電子が、電気的な力で結びついていることで、原子は安定した状態を保っています。原子力発電では、ウランなどの原子核に中性子をぶつけて原子核を分裂させ、その際に生じるエネルギーを利用して発電を行います。原子核や電子の性質を知ることは、原子力発電の仕組みを理解する上で非常に重要です。