食中毒

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食中毒の原因となるカンピロバクター

- カンピロバクターとはカンピロバクターは、古くからウシやヒツジなどの家畜に、流産や腸炎といった病気を引き起こす細菌として知られていました。人々の生活に身近な家畜の健康を脅かす存在として、その歴史は古くから認識されていました。しかし、1970年代に入ると、カンピロバクターは人に対しても腸炎を引き起こすことが明らかになり、食中毒の原因菌として注目を集めるようになりました。カンピロバクターという名前は、その特徴的な形から来ています。ギリシャ語で「カーブした」を意味する「campylo」と「棍棒」を意味する「bacter」を組み合わせたもので、顕微鏡で見ると、まるで小さな棒が曲がったような形に見えることから、この名前が付けられました。カンピロバクターによる食中毒は、世界中で発生しており、特に鶏肉や牛肉などの食肉が原因となるケースが多く見られます。食品の加熱が不十分であったり、調理器具を介して食品に菌が付着したりすることで、感染する可能性があります。そのため、食中毒を予防するためには、食品を十分に加熱すること、調理器具を清潔に保つことが重要です。
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食中毒の原因となるサルモネラ菌

サルモネラ菌は、私たちの腸の中に住んでいる細菌の一種です。実は、その種類は非常に多く、現在確認されているだけでも2,200種類以上も存在します。 サルモネラ菌と聞くと、食中毒を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?実際に、サルモネラ菌は食中毒の原因となる細菌として知られています。しかし、すべてのサルモネラ菌が食中毒を引き起こすわけではありません。サルモネラ菌の中には、人間に対して悪さをするものとしないものがいます。食中毒の原因となるのは、その中でもほんの一部で、約100種類程度だと考えられています。 では、どのようにしてサルモネラ菌による食中毒になってしまうのでしょうか?サルモネラ菌は、汚染された食べ物や飲み物を口にすることで、私たちの体の中に入ってきます。食べ物として特に注意が必要なのは、卵や肉、魚介類などです。サルモネラ菌は、これらの食べ物が汚染されていると、そこで増殖し、私たちがそれを食べることで体の中に侵入してきます。 サルモネラ菌が体内に侵入すると、下痢や腹痛、発熱などの症状を引き起こします。症状の程度は、感染したサルモネラ菌の種類や量、そしてその人の体力によって異なります。ほとんどの場合、数日で回復しますが、乳幼児や高齢者、免疫力が低下している人などは重症化する可能性もあるため注意が必要です。
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意外と知らない食中毒: エルシニアとは?

エルシニアは、私たちの身の回りでよく見かけるありふれた細菌ですが、食中毒を引き起こす他の細菌とは異なる、ある特徴を持っています。それは、気温が低い環境でも増殖することができるという点です。 一般的に、食中毒の原因となる細菌は高温に弱く、加熱調理することで死滅することがほとんどです。しかし、エルシニアは5℃以下の冷蔵庫内の温度でも増殖することが可能です。そのため、食品を冷蔵庫で保管していても、エルシニアによる食中毒のリスクを完全に無くすことはできません。 特に注意が必要なのは、生の肉や加熱が不十分な肉料理です。これらの食品からのエルシニア感染が報告されています。エルシニアによる食中毒を予防するためには、肉は十分に加熱し、生肉を触った後は手をしっかりと洗い、調理器具も清潔に保つように心がけましょう。
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身近に潜む危険!リステリア菌にご用心

- リステリア菌とは? リステリア菌は、リステリア症という食中毒の原因となる、自然界に広く分布する細菌です。土壌や水、動物の腸内など、私達の身の回りの様々な場所に生息しており、特に食肉、魚介類、乳製品、野菜など、多様な食品から検出されることが知られています。 この菌は他の食中毒の原因となる菌と比べて増殖する速度が遅いため、すぐに症状が現れることは稀です。しかし、低温環境でも増殖できるという特徴を持っており、冷蔵庫で保管している食品であっても油断はできません。食品に付着したリステリア菌が増殖し、一定量を超えてしまうと、食後数時間から数週間の潜伏期間を経て、発熱や頭痛、嘔吐、下痢といった食中毒の症状を引き起こします。 健康な成人の場合は軽症で済むことが多いですが、妊婦や高齢者、免疫力が低下している方などは重症化する危険性が高いです。特に妊婦が感染すると、流産や早産、胎児感染を引き起こす可能性があり、注意が必要です。リステリア菌による食中毒を防ぐためには、食品の適切な取り扱いが重要です。食品を加熱処理する、生野菜はしっかりと洗浄する、冷蔵庫の温度管理を徹底するなど、日頃から衛生面に配慮した食品管理を心がけましょう。