食品汚染

原子力の安全

食品の安全を守る放射能量限度暫定基準

1986年4月26日、旧ソビエト連邦(現ウクライナ)のチェルノブイル原子力発電所で発生した事故は、世界中に衝撃を与えました。未曾有の大事故は広範囲に放射性物質を拡散させ、人々の生活に大きな影を落としました。とりわけ、目に見えない放射能による食品汚染は、私たち日本国民にも大きな不安と懸念を抱かせました。 この未曾有の事態を受け、当時の厚生省は国民の健康を守るため、迅速に動き出しました。食品の安全を確保するため、関係分野の専門家による検討会が設置され、放射性物質が人体にもたらす影響について、あらゆる角度からの検討が行われました。その結果、食品から摂取される放射性物質の量を「できる限り少なくする」という基本方針のもと、食品中に含まれる放射性物質の量に対して、暫定的な基準値が設定されることになりました。これが「食品中の放射能量限度暫定基準」です。この基準は、国民の健康を守るための重要な指針となり、その後も状況を踏まえながら、より一層の安全確保に活かされていくことになります。
その他

静かなる脅威: アフラトキシンとそのリスク

- アフラトキシンとは?アフラトキシンは、特定の種類のカビが作り出す毒のことです。このカビは、麹菌と呼ばれる仲間で、私達の生活にも馴染み深いものですが、その中には、アフラトキシンという目に見えない毒を産出する種類が存在します。アフラトキシンは、特に私達の肝臓に深刻な影響を与える可能性があります。 体内に取り込まれると、肝臓で分解され、その過程で肝細胞を傷つけ、肝臓がんのリスクを高めることが知られています。このカビは、高温多湿な環境を好みます。そのため、熱帯や亜熱帯地域で収穫された作物、特にピーナッツやトウモロコシ、香辛料などに多く見られます。日本では、食品の安全を守るための基準が厳しく定められており、国産の食品からアフラトキシンが検出されることはほとんどありません。しかし、輸入食品の中には、これらの基準を満たしていないものも存在する可能性があります。そのため、輸入食品を選ぶ際には、特に注意が必要です。