骨髄

放射線について

エネルギーと血液生成の関わり:骨髄の役割

骨髄と聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?あまり馴染みがない方もいるかもしれません。骨髄は、骨の内部にある、柔らかくゼリー状の組織です。骨髄には、赤色と黄色の2種類が存在し、それぞれ重要な役割を担っています。 赤色骨髄は、主に血液細胞を作り出す造血器官としての役割を担っています。赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいるときから血液細胞を作り始め、成人になっても、肋骨、胸骨、骨盤、大腿骨などの骨の中に存在しています。赤色骨髄では、酸素を運ぶ赤血球、細菌やウイルスから体を守る白血球、出血を止める働きをする血小板など、様々な種類の血液細胞が毎日休むことなく作られています。 これらの血液細胞は、私たちの体を健康に保つために欠かせないものです。 一方、黄色骨髄は、脂肪を多く含んでおり、エネルギーを貯蔵する役割を担っています。黄色骨髄は、成長とともに赤色骨髄の一部が変化して形成されます。一般的に、年齢を重ねるにつれて黄色骨髄の割合が増加していきます。 このように、骨髄は血液細胞を作り出す造血器官としての役割と、エネルギーを貯蔵する役割という、二つの重要な役割を担っています。どちらも私たちの生命維持に欠かせないものです。
その他

血液細胞の源:造血幹細胞

私たちの体内では、古くなった血液細胞が常に新しいものに作り替えられています。この重要な役割を担うのが、造血器官と呼ばれる組織です。人体にはいくつかの造血器官が存在しますが、主なものとしては骨髄、脾臓、リンパ節が挙げられます。 これらの器官は、さながら血液細胞を作る工場のように機能しています。工場で働く細胞たちは「造血支持細胞」と呼ばれ、血液細胞の増殖や分化を助けるための様々な物質を作り出しています。 特に重要な役割を担うのが「血液細胞増殖因子」と呼ばれるタンパク質です。これは、血液細胞の成長を促す指令塔のような役割をしています。つまり、体内で特定の種類の血液細胞が不足すると、この増殖因子が骨髄などに働きかけ、必要な血液細胞を重点的に増産するように指令を出すのです。 このように、私たちの体内では、造血器官と造血支持細胞、そして血液細胞増殖因子が連携することで、常に新しい血液が作り出され、健康が維持されているのです。