高レベル廃液

原子力の安全

原子力発電と放射性液体廃棄物

原子力発電所では、ウラン燃料の核分裂反応を利用して膨大なエネルギーを生み出しています。このエネルギーは、私たちの生活に欠かせない電気を供給するために利用されています。しかし、それと同時に、原子力発電所からは、放射性物質を含む廃棄物が発生します。その中には、気体状や固体状のものだけでなく、液体状のものも含まれており、これを放射性液体廃棄物と呼びます。 放射性液体廃棄物は、その発生源によって、含まれる放射性物質の種類や濃度が異なります。主な発生源としては、原子炉の冷却、使用済み燃料の再処理、施設内の機器の除染などが挙げられます。原子炉の冷却には大量の水が使われますが、この水は放射性物質に曝されることで、放射能を持つようになります。また、使用済み燃料を再処理する過程でも、高レベルの放射性物質を含む廃液が発生します。さらに、施設内の機器のメンテナンスや除染作業においても、放射性物質を含む廃液が発生することがあります。 このように、放射性液体廃棄物は、原子力発電所の様々な工程で発生します。これらの廃棄物は、環境や人体への影響を低減するために、適切に処理・処分される必要があります。具体的には、放射能のレベルに応じて、濃縮、固化、遮蔽などの処理が行われた後、厳重に管理された場所で保管されます。保管期間は、放射性物質の種類や放射能のレベルによって異なり、数十年から数万年にも及ぶ場合があります。
核燃料

高レベル廃液ガラス固化技術:LFCM

原子力発電所からは、運転に伴い、高レベル放射性廃棄物と呼ばれる危険な廃棄物が発生します。これは、使用済み核燃料を再処理する過程で生じる廃液で、非常に高い放射能レベルを有し、人の健康や環境への影響が懸念されることから、長期にわたる厳重な管理が必要不可欠です。 この高レベル放射性廃棄物を安全に管理するために開発された技術が、ガラス固化技術です。この技術は、高レベル放射性廃棄物を高温で溶かし、特殊なガラスと混ぜ合わせて固化させるというものです。生成されたガラス固化体は、高い安定性を持ち、放射線を遮蔽する効果にも優れています。 ガラス固化体は、地下深くに建設された安定した地層に保管されます。ガラス固化体と保管場所を組み合わせることで、放射性物質を環境から長期にわたって隔離することが可能となります。ガラス固化技術は、世界的に安全性の高い高レベル放射性廃棄物の処理方法として認められており、日本においても将来的な実施に向けて研究開発が進められています。
核燃料

原子力発電の課題:高レベル廃液とは

原子力発電所では、電気を作るためにウラン燃料が使われます。ウラン燃料は発電に使われると、核分裂生成物と呼ばれる放射性物質を含む使用済み燃料になります。この使用済み燃料は、再処理工場に運ばれ、再利用可能な物質とそうでない物質に分離する処理が行われます。 この再処理過程で発生するのが、高レベル廃液と呼ばれる、非常に強い放射能を持つ液体です。高レベル廃液には、ウランやプルトニウムから核分裂によって生成されたセシウム137やストロンチウム90といった放射性物質が含まれています。これらの物質は、非常に長い時間、放射線を出し続けるため、環境や人体への影響を最小限にするために、厳密な管理が必要です。 高レベル廃液は、セメントと混ぜて固めるなど、安定した状態に変えられます。そして、最終的には地下深くの安定した地層に処分されるまでの間、厳重に管理されます。このように、高レベル廃液は、その発生から処分に至るまで、安全性が最優先事項とされています。
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高レベル廃液(HALW)とは?

原子力発電所では、ウラン燃料が原子炉内で核分裂反応を起こすことで熱エネルギーを生み出しています。この時、燃料の中には核分裂反応によって生じた様々な放射性物質が含まれていきます。 燃料は一定期間使用すると、新しい燃料と交換されます。この使用済みの燃料のことを使用済み核燃料と呼びます。 使用済み核燃料には、まだウランやプルトニウムといった燃料として使用できる物質が約95%も含まれています。そこで、使用済み核燃料を化学処理して、ウランやプルトニウムを取り出し、再利用する技術が開発されています。これを再処理といいます。 再処理を行うと、ウランやプルトニウムは燃料として再利用できますが、同時に高レベル放射性廃液と呼ばれる、非常に放射能レベルの高い廃液が発生します。これが、高レベル廃液の発生源です。 高レベル廃液には、様々な放射性物質が含まれており、長期間にわたって強い放射線を出し続けるため、適切に処理・処分する必要があります。