37%線量

放射線について

放射線の影響を測る:D37値とは

すべての細胞が等しく放射線の影響を受けるわけではありません。細胞の中には、放射線に対して特に弱い部分が存在し、これを「標的」と呼びます。標的は細胞内の極めて重要な部分であり、ここに放射線が命中すると、細胞は大きなダメージを受け、最悪の場合、死滅してしまうこともあります。 細胞にとって最も重要な標的の一つに、遺伝情報であるDNAが挙げられます。DNAは細胞の設計図とも言える存在であり、細胞の増殖や正常な機能の維持に不可欠です。もし放射線がDNAに命中し、その構造が損傷してしまうと、細胞は正常に機能することができなくなり、癌化したり、細胞死に至ったりする可能性があります。 放射線の影響を受けやすい細胞は、細胞分裂が活発な細胞です。例えば、皮膚や腸の細胞、そして骨髄で血液細胞を作るもとになる細胞などは、細胞分裂が活発なため、放射線の影響を受けやすいと言えます。一方、神経細胞のように細胞分裂をほとんど行わない細胞は、放射線の影響を受けにくい傾向にあります。 このように、細胞の放射線感受性は、細胞の種類や状態によって大きく異なることを理解することが重要です。