
原子力防災の要:ARACシステム
- ARACシステムとはARACとは、「Atmospheric Release Advisory Capability」の頭文字をとったもので、日本語では「大気放出助言能力」という意味になります。これは、アメリカ合衆国で開発・整備された、原子力災害発生時の防災対策の要となる計算機システムです。
原子力施設で万が一、事故が発生し放射性物質が大気中に放出された場合、ARACシステムはその拡散状況を迅速かつ正確に予測し、関係機関に情報を提供します。具体的には、事故発生時の気象データや地形データ、放出された放射性物質の種類や量などの情報を入力することで、放射性物質の拡散範囲や濃度を予測します。これらの情報は、地図上に表示したり、数値データとして提供したりすることで、住民の避難計画策定や被ばく線量の評価などに役立てられます。ARACシステムは、住民の安全確保を支援するために、重要な役割を担っているといえるでしょう。