成人T細胞白血病:知られざる脅威
- 成人T細胞白血病とは
成人T細胞白血病は、成人T細胞白血病ウイルス(ATLV)というウイルスが原因で発症する血液のがんです。
私たちの体内には、外部から侵入してきた細菌やウイルスから体を守る「免疫」というシステムが備わっています。
この免疫システムにおいて、リンパ球は重要な役割を担っています。
ATLVはこのリンパ球のうち、T細胞と呼ばれる細胞に感染します。
すると、T細胞はウイルスの影響でがん化し、異常に増殖を始めます。
その結果、血液のがんである白血病を発症してしまうのです。
ATLVは、感染した人の血液や体液を介して、他の人に感染する可能性があります。
主な感染経路としては、母親から子どもへの母子感染、性交渉による感染、血液製剤の使用などが挙げられます。
ただし、ATLVは日常生活で容易に感染するような、強い感染力を持ったウイルスではありません。
さらに、感染したとしても、発症に至る人はごくわずかであることが知られています。