BSS

放射線について

規制免除レベル:安全と実用性のバランス

- 規制免除レベルとは放射線は、医療や工業など様々な分野で利用されていますが、その一方で、人体への影響も懸念されています。そのため、放射線に関する法律では、放射性物質の量や濃度に応じて、様々な規制が設けられています。しかし、極めて低いレベルの放射線であれば、その影響は無視できるほど小さく、むしろ規制によって日常生活や産業活動が制限されることの方が大きな損失になる場合があります。そこで、放射線に関する法律では、一定レベル以下の放射線源や被ばくを伴う行為に対しては、規制の対象外とする「規制免除」の制度が設けられています。この規制対象外となる限界値のことを「規制免除レベル」と呼びます。例えば、身の回りにある時計や煙探知機などに使われている微量の放射性物質や、飛行機に乗った際に浴びる宇宙線からの放射線などは、規制免除レベルを下回るため、規制の対象外となっています。規制免除レベルは、国際的な機関による科学的な評価に基づいて、人の健康や環境への影響が十分に無視できるレベルに設定されています。これは、放射線の利用による利益を享受しながら、安全を確保するための合理的な考え方と言えるでしょう。
原子力の安全

国際安全基準で守る放射線源

近年、原子力発電所 の 運転終了 が 相次いでいます。それに伴い、 使用済み燃料 や 原子炉施設 の 解体 など、廃止措置 に関する 話題 が 増えてきました。 原子力発電所 の 廃止措置 には、当然ながら 放射性廃棄物 が 発生 します。この 放射性廃棄物 を どのように 安全 に 管理 するのか というのが、原子力 を 利用する上で 避けては 通れない 課題 となっています。 特に、放射能レベル の 低い 廃棄物 については、「放射性物質 としての 規制」から 除外する「規制免除」という 考え方 が 注目 を 集めています。 規制免除 は、人が 受け取る 放射線量 が 極めて 低く、環境への 影響 が 無視できる と 判断できる 場合 に、放射性物質 の 規制 から 除外 し、資源 として 再利用 したり、通常の 産業廃棄物 と 同様に 処理 したり する 仕組み です。 規制免除 により、資源 の 効率的 な 活用 や 廃棄物管理 の 合理化 が 図れる ことから、今後の 原子力 の 活用 において 重要 な 仕組み と 言えるでしょう。
原子力の安全

原子力施設の廃止措置とBSS:放射線安全規制の国際基準

原子力発電所など、原子力を使って電気を起こしたり、研究を行ったりする施設は、長い間使うと古くなってしまうため、いずれは役目を終えなければなりません。役目を終えた原子力施設を安全に取り壊し、更地に戻す作業のことを廃止措置と言います。廃止措置は、建物を壊したり、施設の中にある装置を取り外したりと、大掛かりな作業となり、長い年月と費用がかかります。 原子力施設を動かしている間は、施設の中で放射線を出している物質を厳重に管理しています。そして、施設の廃止措置を行う際に、これらの放射線を出している物質は、決められた方法に従って安全に処理する必要があります。放射線を出している物質は、適切に処理しなければ、人や環境に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、安全な処理方法は、国が定めた厳しい基準に従って行われます。具体的には、放射線を出している物質を、周囲の環境から遮断する特殊な容器に入れたり、セメントなどを使って固めたりします。 このように、原子力施設の廃止措置は、安全を最優先に、放射線を出している物質を適切に処理することが非常に重要です。この処理は、環境や人への影響を最小限に抑えながら、将来世代に負担を残さないように行う必要があります。