COGEMA

原子力施設

フランスにおける核燃料リサイクルの歩み:UP-1を中心に

1958年、フランスはマルクールにUP-1と呼ばれる再処理工場を建設し、稼働を開始しました。これは、フランスにとって本格的な再処理の始まりと言える重要な出来事でした。 UP-1は、軍事目的でプルトニウムを生産する原子炉で使用された燃料を再処理するために建設されました。 当時、核兵器開発を進めていたフランスにとって、プルトニウムは不可欠な物質でした。しかし、天然ウランの中にはごくわずかのプルトニウムしか含まれていません。そこで、使用済み燃料からプルトニウムを取り出す再処理技術が重要視されたのです。 UP-1の稼働により、フランスはプルトニウムを安定的に確保できるようになり、核兵器開発をさらに進めることが可能となりました。 この再処理工場の建設と稼働は、フランスが核保有国としての地位を確立していく上で、重要な一歩となりました。
原子力施設

フランスの原子力平和利用の先駆け、UP1再処理工場

フランスは1958年、軍事利用を目的としたプルトニウム生産炉を稼働させました。そして、使い終えた燃料からプルトニウムを取り出すために、マルクールにUP1再処理工場を建設しました。これが、フランスにおける核燃料再処理の本格的な始まりと言えます。 UP1は、フランスの原子力平和利用への道を切り開く重要な一歩となりました。 当初は軍事目的で開発されたプルトニウムでしたが、UP1の稼働により、プルトニウムを燃料として再利用する技術が確立されました。これは、原子力エネルギーをより効率的に利用できることを意味し、フランスの原子力発電の發展に大きく貢献しました。 具体的には、UP1で再処理されたプルトニウムは、高速増殖炉の燃料として利用されました。高速増殖炉は、ウラン燃料からプルトニウムを生成しながらエネルギーを発生させることができる、夢の原子炉として期待されていました。フランスは、UP1の稼働により、高速増殖炉の開発において世界をリードする立場を築くことができたのです。 しかし、再処理には放射性廃棄物の発生が避けられないという問題もあります。フランスは、再処理に伴って発生する放射性廃棄物をガラス固化体という安定した形態に変え、地下深くに埋設する計画を進めています。このように、フランスは核燃料再処理技術の開発と並行して、放射性廃棄物の処理についても積極的に取り組んでいます。