欧州自由貿易連合:EU とは異なる経済連携
1957年、ヨーロッパ統合の動きの中で、フランス、イタリア、西ドイツを中心とした6ヶ国によって欧州経済共同体(EEC)が設立されました。これは、単なる経済的な協力関係を超えて、将来的には政治的な統合をも見据えたものでした。しかし、すべてのヨーロッパの国々が、このような踏み込んだ統合を望んでいたわけではありません。 イギリス、オーストリア、デンマーク、ノルウェー、ポルトガル、スウェーデン、スイスの7ヶ国は、EECのような政治的な統合よりも、経済的な自由化を重視し、独自の枠組みを模索することにしました。
こうして1959年、EEC設立のわずか2年後、欧州自由貿易連合(EFTA)が誕生しました。EFTAは、加盟国間における関税や貿易制限を撤廃し、自由貿易を実現することを目的としていました。ただし、EECのような共通域外関税や共通農業政策といった、政治的な統合を強く意識させる政策は採用しませんでした。 EFTAは、あくまでも経済的な結びつきを重視した、より緩やかな協力関係を志向したと言えるでしょう。