
高レベル放射性廃棄物:未来への負の遺産
- 高レベル放射性廃棄物とは原子力発電所では、電気を作る過程で、使用済み核燃料と呼ばれる、使い終えた燃料が発生します。この使用済み核燃料には、まだ燃料として使用できるウランやプルトニウムといった物質が含まれています。そこで、使用済み核燃料を化学処理して、これらの有用な物質を取り出す工程を「再処理」と言います。 再処理を行う過程で、どうしても発生してしまうのが、高レベル放射性廃棄物です。高レベル放射性廃棄物は、再処理によってウランやプルトニウムを取り除いた後に残る廃液や、その廃液をガラスと混ぜ合わせて固めたガラス固化体などを指します。 高レベル放射性廃棄物には、ウランの核分裂によって生じる核分裂生成物や、プルトニウムなどのアクチノイド元素が含まれており、非常に強い放射能を持っています。そのため、人の健康や環境への影響を考えると、厳重に管理することが極めて重要です。具体的には、高レベル放射性廃棄物は、冷却処理を施した後、頑丈な容器に封入され、地下深くの安定した地層に最終的に処分されることになります。このように、高レベル放射性廃棄物は、その発生から処分に至るまで、長い時間をかけて厳重に管理されるのです。