ITER

原子力施設

未来のエネルギー源、トカマクとは?

- トカマクの語源 トカマクという言葉は、単なる名称ではなく、その構造と原理を巧みに表現した名前です。実はロシア語の「電流」「容器」「磁場」「コイル」の頭文字を組み合わせた造語なのです。 トカマクは、核融合反応を起こすために超高温のプラズマを閉じ込める必要があります。このプラズマ閉じ込めのために、トカマクは強力な磁場を使います。この磁場を作るのが、電流を流すコイルです。そして、プラズマはこの磁場によってドーナツ状の真空容器の中に閉じ込められます。 つまりトカマクは、「電流」を「コイル」に流し、「磁場」を発生させることで、プラズマを「容器」に閉じ込める装置ということになります。このように、トカマクという言葉は、その構造と原理を見事に表しているのです。
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ITER:未来のエネルギー源への挑戦

- ITERとはITER(国際熱核融合実験炉)は、核融合エネルギーが実際に利用できるエネルギー源であることを証明するために建設中の実験炉です。核融合エネルギーとは、太陽が光り輝き、熱を生み出す原理と同じ仕組みを利用したエネルギーの発生方法です。燃料には、海水から取り出すことができる重水素やリチウムなどを使い、これらの資源は地球上に豊富に存在するため、ほぼ無尽蔵といえます。さらに、発電時に二酸化炭素などの温室効果ガスを排出しないという大きな利点も持ち合わせています。ITERは、このような未来のエネルギー源として期待される核融合エネルギーの実現に向けて、世界各国が協力して進めている国際プロジェクトです。日本も参加しており、巨大な実験炉の建設や実験の計画、運営に携わっています。ITERでは、核融合反応を起こすために必要な超高温・高密度のプラズマを生成し、それを長時間維持することを目標としています。ITER計画は、核融合エネルギーの実用化に向けた重要な一歩となることが期待されています。成功すれば、人類は安全でクリーンなエネルギーを手に入れることができるだけでなく、地球温暖化問題の解決にも大きく貢献することができるでしょう。
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国際協力で挑む、未来のエネルギー:ITER

人類の長年の夢である、無尽蔵のエネルギーを生み出す「核融合発電」。その実現に向けて、世界が協力して進めている壮大なプロジェクトが、国際熱核融合実験炉、ITER(イーター)です。 ITERは、太陽の内部で起きている核融合反応を地球上で再現することを目指しています。太陽は、その中心部で水素原子核同士が超高温・高圧状態で衝突し、ヘリウム原子核へと変わる核融合反応によって莫大なエネルギーを生み出しています。この核融合反応を人工的に起こすことで、地球でも太陽と同じようにエネルギーを作り出すことができるのです。 核融合発電の最大の特徴は、その燃料にあります。核融合発電では、海水中に豊富に存在する重水素と三重水素を燃料として利用します。地球全体で見ればほぼ無尽蔵に存在する海水が燃料となるため、エネルギー問題の解決に大きく貢献することが期待されています。さらに、核融合反応では二酸化炭素が発生しないため、地球温暖化対策としても極めて有効な手段となります。 ITER計画は、日本を含む世界7極(日本、欧州連合、アメリカ、ロシア、中国、韓国、インド)が参加する国際協力プロジェクトです。フランスに建設されたITERは、2025年に運転を開始し、核融合反応の制御とエネルギー発生の実証を目指します。ITERの成功は、人類が安全でクリーンなエネルギーを手に入れ、持続可能な社会を実現するための大きな一歩となるでしょう。