高レベル廃液ガラス固化技術:LFCM
原子力発電所からは、運転に伴い、高レベル放射性廃棄物と呼ばれる危険な廃棄物が発生します。これは、使用済み核燃料を再処理する過程で生じる廃液で、非常に高い放射能レベルを有し、人の健康や環境への影響が懸念されることから、長期にわたる厳重な管理が必要不可欠です。
この高レベル放射性廃棄物を安全に管理するために開発された技術が、ガラス固化技術です。この技術は、高レベル放射性廃棄物を高温で溶かし、特殊なガラスと混ぜ合わせて固化させるというものです。生成されたガラス固化体は、高い安定性を持ち、放射線を遮蔽する効果にも優れています。
ガラス固化体は、地下深くに建設された安定した地層に保管されます。ガラス固化体と保管場所を組み合わせることで、放射性物質を環境から長期にわたって隔離することが可能となります。ガラス固化技術は、世界的に安全性の高い高レベル放射性廃棄物の処理方法として認められており、日本においても将来的な実施に向けて研究開発が進められています。