LQモデル

放射線について

放射線の影響を理解する:直線-二次曲線モデル

- 直線-二次曲線モデルとは放射線が生体に及ぼす影響を評価する上で、被曝線量と生物学的影響の関係を明らかにすることは非常に重要です。その関係を表すモデルの一つに、-直線-二次曲線モデル-があります。別名LQモデルとも呼ばれ、放射線生物学の分野において広く用いられています。このモデルは、グラフ上に表現すると、低線量域では直線、高線量域では二次曲線となる特徴的な形状を示します。これは、放射線が細胞内のDNAに損傷を与えるメカニズムに基づいています。低線量域では、放射線によって引き起こされるDNA損傷は、細胞が自ら修復できる範囲であるため、生物学的影響は被曝線量に比例して直線的に増加します。一方、高線量域では、DNA損傷が細胞の修復能力を超えて蓄積し、細胞死やがん化などの重大な影響が生じやすくなります。そのため、被曝線量に対して生物学的影響は加速的に増加し、曲線的な関係を示すのです。直線-二次曲線モデルは、放射線防護の基準値設定や、医療分野における放射線治療計画など、幅広い分野で応用されています。ただし、これはあくまでもモデルであり、実際の生物学的影響は、放射線の種類や被曝時間、個体差など、様々な要因によって複雑に変化することを理解しておく必要があります。