MRI

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MRI検査とは?

皆さんは、病院で検査を受ける際に「MRI」という言葉を耳にしたことはありますか? MRI検査は、体の内部を鮮明に映し出すことができる検査です。レントゲン検査のように放射線を使うわけではないので、被曝の心配がなく、安心して受けることができます。 MRI検査では、強力な磁石と電波を用いて、体の様々な組織や器官の違いを、信号の強弱として捉え、画像化します。この検査は、脳や脊髄などの神経系はもちろんのこと、関節や筋肉、内臓など、体の幅広い部位の診断に役立ちます。 例えば、脳梗塞や脳腫瘍などの脳疾患、椎間板ヘルニアなどの脊髄疾患、靭帯損傷や筋肉断裂などの運動器疾患、さらに、肝臓や膵臓などの内臓疾患など、様々な病気の診断に用いられています。 MRI検査は、痛みや苦痛を伴わない検査であるため、体の負担が少なく、安心して受けることができます。検査時間は、検査部位や撮影方法によって異なりますが、30分から1時間程度です。検査中は、大きな音がしますが、検査担当者の指示に従っていれば問題ありません。
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エネルギー革命の立役者:超伝導マグネット

超伝導マグネットは、電気抵抗が全く無い状態を実現した夢の電磁石であり、これからのエネルギー技術を大きく変える可能性を秘めています。電磁石は、電流を流すことで強力な磁力を発生させる装置ですが、従来の電磁石では、電流を流す際に電気抵抗が生じてしまい、エネルギーの損失が避けられませんでした。 このエネルギー損失を無くすために、特定の物質を極低温に冷却し、電気抵抗を完全にゼロにする「超伝導」という現象を利用したのが超伝導マグネットです。超伝導状態では、電流は抵抗を受けることなく流れ続けるため、従来の電磁石では考えられなかったような強力な磁力を発生させることが可能となります。 この技術は、リニアモーターカーや核融合炉など、様々な分野への応用が期待されています。例えば、リニアモーターカーの場合、超伝導マグネットによって車体を浮上させ、高速で走行させることが可能となります。また、核融合炉では、超伝導マグネットによって高温のプラズマを閉じ込めるために必要な強力な磁場を発生させることができます。 このように超伝導マグネットは、未来のエネルギー技術にとって欠かせない技術となる可能性を秘めていると言えるでしょう。
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原子核のささやき:NMRが拓くミクロの世界

私たちが目にする物質は、すべて原子と呼ばれる小さな粒からできています。原子は中心に原子核を持ち、その周りを電子が雲のように覆っています。原子核はプラスの電荷を持つため、まるで小さな磁石のように振る舞います。 この性質を利用して物質の内部を詳しく調べる方法があります。それが「核磁気共鳴」、英語の頭文字をとってNMRと呼ばれる技術です。 NMRでは、まず強い磁場の中に調べたい物質を置きます。すると、原子核の向きが磁場の方向に揃います。次に、特定の周波数の電磁波を照射します。すると、原子核は電磁波のエネルギーを吸収し、まるでコマのように勢いよく回転を始めます。この回転は、原子核の種類や周りの環境によって微妙に異なります。 その後、原子核は吸収したエネルギーを放出し、元の状態に戻ります。この時、放出される電磁波の周波数を精密に測定することで、原子核の種類や周りの原子がどのように結合しているのか、物質がどのような構造をしているのかを知ることができるのです。 このように、NMRは物質を構成する原子核からの微弱な信号を読み解くことで、物質の性質や構造を原子レベルで明らかにすることができるのです。