NOx

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原子力発電と窒素酸化物

窒素酸化物とは、空気中の窒素と酸素が高温で化学反応を起こすことで発生する物質です。窒素酸化物は「NOx」と表記され、一酸化窒素や二酸化窒素など、いくつかの種類があります。 私達の身の回りにある空気は、窒素と酸素が主成分です。通常の状態では、これらは別々の気体として存在しています。しかし、高温な環境になると、窒素と酸素が結びつき、窒素酸化物が発生します。例えば、火力発電所や工場のボイラー、自動車のエンジンなど、物を燃やす場所では、高温になるため、窒素酸化物が発生しやすいです。 窒素酸化物は、大気汚染の原因物質の一つです。呼吸によって体内に取り込まれると、呼吸器系の疾患を引き起こす可能性があります。また、酸性雨の原因物質の一つでもあり、森林や湖沼などに深刻な被害を与える可能性があります。 このように、窒素酸化物は、私達の健康や環境に悪影響を与える可能性があるため、発生源となる工場や事業所などでは、大気汚染防止法に基づいて、排出量を抑制するための対策が義務付けられています。
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火力発電所の立役者:排煙脱硝装置

私たちの生活に欠かせない電気を供給してくれる火力発電所ですが、同時に、大気を汚染する物質も排出しています。その代表的なものが窒素酸化物です。窒素酸化物は、酸性雨や呼吸器系の病気の原因となることから、大気汚染防止法によって排出量が規制されています。 火力発電所から排出される煙の中には、燃料である石炭や石油、天然ガスなどに由来する窒素酸化物と、ものを燃やすために使われる空気中の窒素が高温で変化することによって発生する窒素酸化物が含まれています。 これらの窒素酸化物を煙から取り除くために設置されているのが排煙脱硝装置です。 排煙脱硝装置は、煙の中にアンモニアを混ぜて化学反応を起こすことで、窒素酸化物を無害な窒素と水に分解します。この装置のおかげで、火力発電所から排出される窒素酸化物の量は大幅に減少し、大気環境の改善に大きく貢献しています。 火力発電所は、今後もエネルギー供給の重要な役割を担っていくと考えられます。同時に、地球環境の保全も重要な課題です。排煙脱硝装置は、エネルギーの安定供給と地球環境の保全を両立させるために、今後も無くてはならない設備と言えるでしょう。