燃料の秘密:O/U比とその重要性
原子力発電所では、ウランという物質が燃料として使われています。ウランは地球上に広く存在する元素ですが、そのままでは発電に利用できません。発電するためには、ウランを二酸化ウランという化合物に変換する必要があります。
二酸化ウランは、黒色の粉末状の物質で、天然ウランから様々な工程を経て精製されます。この二酸化ウランが、原子力発電の心臓部である原子炉の中で重要な役割を担っています。
原子炉の中に設置された燃料集合体には、この二酸化ウランがペレット状に加工されて詰められています。ペレットは直径約1センチ、高さ約1.5センチの円柱形で、これが原子炉の熱源となるのです。
原子炉の中では、ウランの原子核に中性子が衝突することで核分裂反応が起こります。この核分裂反応によって膨大な熱エネルギーが放出され、その熱を利用して水蒸気を発生させ、タービンを回し発電機を動かすことで電気が作られます。
二酸化ウランは、エネルギー効率が非常に高く、少量でも莫大なエネルギーを生み出すことができます。火力発電のように大量の燃料を燃やす必要がないため、二酸化炭素の排出量を抑え、地球温暖化防止にも貢献できるという利点があります。