
世界銀行炭素基金:地球温暖化防止への投資
- 世界銀行炭素基金とは
世界銀行炭素基金(Prototype Carbon Fund PCF)は、地球温暖化という世界規模の課題に対処するため、2000年1月に設立された投資ファンドです。国際機関である世界銀行が運営を担っており、その活動目的は、温室効果ガスの排出量削減に貢献することです。
この基金の特徴は、政府や企業からの出資によって成り立っている点にあります。2000年の設立当初から、世界各国政府や民間企業から多くの出資が集まり、その規模は約200百万ドルに達しました。集められた資金は、発展途上国における温室効果ガス削減プロジェクトに投資されます。具体的には、再生可能エネルギーの導入や省エネルギー技術の普及などを支援することで、地球全体の温室効果ガス排出量の削減を目指しています。
世界銀行炭素基金は、排出量取引の仕組みを活用している点でも注目されています。排出量取引とは、温室効果ガス削減量を取引する仕組みのことで、企業や国は、自らの削減努力に加えて、他の主体が実現した削減量を取引によって獲得することで、効率的に排出量削減目標を達成することができます。世界銀行炭素基金は、発展途上国におけるプロジェクトから生まれた削減量を取引市場で売却することで、更なる資金を調達し、地球温暖化対策を推進しています。