電力自由化の引き金:公益事業規制政策法
1978年、アメリカは深刻なエネルギー問題に直面していました。世界的な石油不足と価格高騰は、アメリカ経済に大きな打撃を与え、エネルギーの安定供給が国家的な課題となっていました。この危機を克服するために制定されたのが、公益事業規制政策法、通称PURPAです。
PURPAは、従来の電力会社に依存したエネルギー供給体制を見直し、電力会社以外の事業者や個人が発電事業に参入することを促進する画期的な法律でした。 この法律により、太陽光や風力などの再生可能エネルギーや、廃棄物などからエネルギーを回収する技術が大きく進歩しました。
PURPAは、エネルギー源の多様化と省エネルギーの推進という二つの大きな目標を掲げていました。石油への依存度を下げるために、電力会社は再生可能エネルギーや天然ガスなど、よりクリーンなエネルギー源を活用することが求められました。また、電力会社は、自社の発電所を新設するよりも、民間企業や個人から電気を買い取ることを奨励されました。
PURPAは、アメリカのエネルギー政策における転換点となり、その後の電力自由化への道を切り開きました。 PURPAの制定から40年以上が経ちましたが、エネルギーの安定供給と環境保護の両立は、依然として重要な課題です。PURPAの成功と教訓は、今日の日本のエネルギー政策にとっても重要な示唆を与えてくれるでしょう。