RASPLAV計画:溶融炉心の謎に迫る国際協力
原子力発電所は、私たちの生活に欠かせない電力を供給する重要な施設です。その安全性を確保するために、万が一に備え、想定を超えるような深刻な事故、すなわち苛酷事故への対策が徹底的に検討されています。 苛酷事故では、様々な要因によって炉心冷却がうまくいかなくなり、核燃料が非常に高い温度に達して溶け出す、炉心溶融と呼ばれる事態が発生する可能性があります。
溶け落ちた炉心は「コリウム」と呼ばれ、高温でドロドロの状態になっており、原子炉圧力容器の底に落下します。コリウムは非常に重い物質であるため、そのまま放置すると原子炉圧力容器を突き破ってしまう可能性があります。 このような事態を防ぎ、原子炉の安全性を確保するためには、コリウムがどのように動くのか、どのような性質を持っているのかを詳しく理解することが重要です。 コリウムの温度変化や冷却材との相互作用を分析することで、より効果的な対策を立てることができます。例えば、原子炉格納容器の下部にあらかじめ水を張っておくことで、コリウムの冷却を促進し、原子炉圧力容器への損傷を最小限に抑えることが期待できます。