
電力設備の守護神?六フッ化硫黄の功罪
六フッ化硫黄は、フッ素と硫黄を人工的に反応させて作る化合物で、自然界には存在しません。このガスは、電気を通しにくい性質、つまり絶縁性に非常に優れていることから、電力設備において重要な役割を担っています。
六フッ化硫黄は空気と比べて約5倍も重く、この重さによって電気機器の内部に充填した際に安定した状態を保ちます。また、化学的に安定している性質を持っているため、長期間にわたって劣化しにくく、高い信頼性を維持できます。さらに、人体への影響が非常に少ないことも大きな特徴です。
これらの優れた特性から、六フッ化硫黄は、電気を安全かつ確実に遮断する遮断器や、電圧を変換する変圧器といった電力設備において、内部の絶縁ガスとして広く利用されています。特に、都市部など限られたスペースに設置される電力設備では、小型化に貢献できる六フッ化硫黄の絶縁性の高さが大きなメリットとなります。