ウラン濃縮の指標:分離作業単位(SWU)
- 分離作業単位(SWU)とは
分離作業単位(SWU)は、ウラン濃縮の際に必要となる作業量を数値化したものです。天然ウランには、核分裂を起こしやすいウラン235と、そうでないウラン238が混在しています。原子力発電の燃料として利用するには、ウラン235の割合を一定の割合以上に高める必要があり、この作業をウラン濃縮と呼びます。
SWUは、このウラン濃縮の際に、どれだけ手間がかかったかを示す指標となります。ウラン235の濃度を高めるためには、複雑な工程と多くのエネルギーを必要とします。SWUの値が大きいほど、より多くのエネルギーを消費し、高度な技術を要する濃縮作業が行われたことを意味します。
例えば、濃縮度3%の低濃縮ウランを生産する場合と、濃縮度90%の高濃縮ウランを生産する場合では、後者の方がはるかに多くのSWUを必要とします。これは、高濃縮ウランを生成するには、ウラン235とウラン238をより厳密に分離する必要があるためです。
このように、SWUはウラン濃縮における技術的な難易度や必要なエネルギー量を評価する上で重要な指標となっています。