
アメリカのウラン濃縮を支えるUSEC
- 原子力発電とウラン濃縮
原子力発電は、ウラン燃料の核分裂反応を利用して膨大な熱エネルギーを生み出し、その熱を利用してタービンを回し発電するシステムです。しかし、地球上に存在するウランは、天然の状態では発電に適した濃度ではありません。
ウランには、ウラン235とウラン238という二種類の同位体が存在します。このうち、核分裂を起こしやすい性質を持つのはウラン235の方です。しかし、天然ウランにおけるウラン235の濃度はわずか0.7%程度であり、残りの大部分は核分裂を起こしにくいウラン238です。
原子力発電所で燃料として使用するためには、ウラン235の濃度を数%程度まで高める必要があります。このウラン235の濃度を高めるプロセスを「ウラン濃縮」と呼びます。ウラン濃縮は、遠心分離法やレーザー法といった高度な技術を用いて行われます。
ウラン濃縮は、原子力発電の燃料サイクルにおいて重要なプロセスの一つであり、高度な技術と厳格な管理体制が求められます。