国際エネルギースタープログラム：省エネ製品で地球に貢献

国際エネルギースタープログラム：省エネ製品で地球に貢献

地球規模で取り組む省エネルギー

近年、地球温暖化や資源の枯渇といった問題が深刻化しており、地球全体の課題として認識されています。これらの問題解決には、世界規模での取り組みが不可欠であり、その中でも特に重要なのが省エネルギーです。国際エネルギースタープログラムは、このような地球規模の課題解決に向けて、世界各国が協力して省エネルギーを推進するための国際的な枠組みです。

このプログラムの特徴は、単に問題意識を共有するだけでなく、具体的な行動指針を提示している点にあります。具体的には、家電製品や事務機器、照明器具など、様々な製品を対象に、エネルギー消費効率の高い製品を「エネルギースター」として認定し、その普及を促進しています。消費者は、エネルギースターマークのついた製品を選ぶことで、地球環境への負荷を低減することに貢献できます。

国際エネルギースタープログラムは、国際的な協力体制のもと、省エネルギーを推進することで、地球温暖化や資源の枯渇といった地球規模の課題解決に貢献しています。

製品のエネルギー消費を抑制

このプログラムは、企業が自主的に参加し、製品のエネルギー消費量の削減を目指す取り組みです。対象となるのは、コンピュータやディスプレイ、プリンタ、ファクシミリ、複写機、スキャナ、複合機といった、オフィスで日常的に使用される機器です。これらの製品を製造・販売する企業は、プログラムが定めるエネルギー消費効率の基準を満たしていることを自ら宣言し、その製品に「国際エネルギースターロゴ」を貼ることができます。このロゴは、世界共通のデザインを採用しており、消費者がエネルギー効率の高い製品を容易に見分けられるようにするためのものです。

企業は、このプログラムに自主的に参加することで、自社製品のエネルギー消費効率の高さをアピールし、環境意識の高い消費者への訴求力を高めることができます。また、消費者は「国際エネルギースターロゴ」を表示した製品を選ぶことによって、省エネルギーに貢献し、電気料金の節約にもつながります。このように、このプログラムは、企業と消費者の双方にとってメリットがあり、持続可能な社会の実現に貢献するものです。

日本の取り組みと国際的な連携

1995年10月1日より、日本は国際的な省エネルギー推進の枠組みである国際エネルギースタープログラムに参加しました。これは、地球規模で進行する環境問題への対応として、日本が世界と協力して取り組む姿勢を示すものです。企業は、経済産業大臣に登録することで、国際エネルギースター基準を満たした製品にロゴマークを表示することが許されます。このロゴマークは、消費者が省エネルギー性能に優れた製品を容易に識別することを可能にし、企業の省エネ製品開発を促進する効果も期待されています。

さらに、日本で定められた基準を満たした製品は、測定条件が合致すれば、他の参加国においてもロゴマークを表示することができます。これは、国際的な相互認証制度によって、企業が複数の国で個別に認証を取得する負担を軽減し、国際的な貿易を円滑化する効果があります。

このように、国際エネルギースタープログラムへの参加は、国内における省エネルギーの推進だけでなく、国際的な協力体制のもとで地球環境問題の解決に貢献するという、日本の重要な取り組みと言えるでしょう。

消費者の意識改革を促進

地球温暖化や資源の枯渇といった問題が深刻化する中で、製品のエネルギー効率に対する関心は世界的に高まっています。製品の製造段階から使用時における省エネルギー化を進めることはもちろん重要ですが、消費者一人ひとりの意識改革も欠かせません。
国際エネルギースタープログラムは、エネルギー効率の高い製品を市場に送り出すとともに、消費者が環境に配慮した製品選びをするための一助となることを目指しています。「国際エネルギースターロゴ」のついた製品は、厳しいエネルギー効率基準を満たしていることを示しています。このロゴは、消費者が製品を選ぶ際に、その製品が環境に与える影響を分かりやすく示す指標としての役割を果たします。
消費者が「国際エネルギースターロゴ」の意味を理解し、省エネルギー性能の高い製品を選ぶようになれば、省エネルギー製品の需要が高まります。この需要の高まりは、企業がより省エネルギーな製品を開発・製造する動機付けとなり、結果として市場全体でエネルギー効率の高い製品の普及につながります。このように、国際エネルギースタープログラムは、消費者一人ひとりの意識改革を促すことで、地球全体の環境保全にも貢献しています。