レーザーの原理と特徴

レーザーの原理と特徴

電力を見直したい

先生、「レーザー」ってよく聞くけど、一体どんなものなんですか?

電力の研究家

いい質問だね!レーザーは、簡単に言うと、ものすごくまっすぐ進む強い光のことなんだ。ものを照らしたり、切ったりするのに使われているよ。

電力を見直したい

へえー!でも、なんでそんなに強い光が出るんですか?

電力の研究家

それはね、原子の中にある電子の動きを利用しているからなんだ。電子がある決まった高さから低い高さに移動するときに、光が出るんだけど、レーザーはその光を増幅させて、強い光を作り出しているんだよ。

レーザーとは。

「原子力発電」の分野で使われる「レーザー」という言葉について説明します。「レーザー」は英語の「放射の誘導放出による光増幅」のそれぞれの単語の頭文字を取ったものです。原子は、中心にある原子核とその周りを回る電子でできています。この電子のことを「束縛電子」と呼びます。束縛電子は、太陽系の惑星の軌道のように、それぞれの軌道にエネルギーの高さがあります。高いエネルギーの軌道にある電子が低いエネルギーの軌道に移るとき、そのエネルギーの差に相当する波長の光を出します。この時、周りに光があると、光がない時よりも誘導されて光が増幅され、非常に強い光が放射されます。これがレーザーの原理です。レーザーを起こす物質は、気体、液体、固体のいずれも可能です。また、「自由電子レーザー」は、彗星のように原子から飛び出した電子、つまり「自由電子」を使います。

レーザーとは

レーザーとは

– レーザーとはレーザーという言葉は、英語の「Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation」の頭文字をとったもので、「放射の誘導放出による光増幅」という意味です。では、レーザーは私たちの身近にある光と比べて、どのような違いがあるのでしょうか。レーザー光の特徴は、光の波が揃っていることです。 通常の光は、様々な波長の光が様々な方向に広がっていますが、レーザー光は特定の波長の光が、一方向に揃って進みます。この性質により、レーザー光は「指向性」「収束性」「単色性」という3つの優れた特徴を持つことになります。「指向性」とは、レーザー光がまっすぐ進む性質のことです。遠くまで届きやすく、目標に正確に光を当てることができます。「収束性」とは、レーザー光が広がりにくい性質のことです。小さな一点にエネルギーを集中させることができます。「単色性」とは、レーザー光が単一の波長で構成されていることを指します。これらの優れた特徴から、レーザーは、医療分野ではメスや治療機器として、通信分野では光ファイバー通信の光源として、製造分野では金属の切断や溶接など、様々な分野で利用されています。レーザーは、現代社会において欠かせない技術の一つと言えるでしょう。

レーザー光の特徴 解説 用途例
指向性 レーザー光がまっすぐ進む性質 目標への正確な照射
収束性 レーザー光が広がりにくい性質 一点へのエネルギー集中
単色性 レーザー光が単一の波長で構成されている

原子の構造と光の放出

原子の構造と光の放出

私たちの身の回りの物質は、すべて原子と呼ばれる小さな粒子からできています。原子の中心には原子核があり、その周りをさらに小さな粒子が飛び回っています。それが電子です。
電子の動きは、太陽の周りを回る惑星の動きに似ています。惑星は太陽から決まった距離の軌道を回っていますが、電子も原子核の周りを決まったエネルギーの軌道上を運動しています。
この電子の軌道は、階段の段のように、飛び飛びのエネルギーレベルで決まっています。高い段にある電子はエネルギーが高く、低い段にある電子はエネルギーが低いです。
高いエネルギーレベルにある電子が、低いエネルギーレベルに移動することがあります。この時、そのエネルギーの差が光として放出されるのです。階段を降りる際にエネルギーが放出されるイメージです。
光は波の性質を持つため、放出される光の波長(色)は、エネルギー差の大きさによって異なります。レーザー光は、この電子のエネルギー遷移を利用して、特定の波長(色)の光を作り出しています。レーザー光は、医療機器や光通信など、様々な分野で利用されています。

項目 説明
原子 物質を構成する基本的な粒子。中心に原子核、周囲に電子を持つ。
電子 原子核の周りを回る負電荷を持つ粒子。決まったエネルギー準位(軌道)を持つ。
電子のエネルギー準位 電子が存在できるエネルギーのレベル。階段の段のように飛び飛び。
エネルギー遷移 電子が高いエネルギー準位から低いエネルギー準位へ移動すること。
光の放出 電子がエネルギー遷移する際に、エネルギー差が光として放出される。
レーザー光 電子のエネルギー遷移を利用して、特定の波長の光を作り出したもの。

誘導放出とレーザー光の増幅

誘導放出とレーザー光の増幅

レーザー光は、誘導放出という特殊な現象を利用して増幅されます。この現象を理解するために、まず原子内の電子について考えてみましょう。電子は特定のエネルギー準位にのみ存在することができ、高いエネルギー準位から低いエネルギー準位に移るときに、そのエネルギー差に相当する光を放出します。これが自然放出と呼ばれる現象です。

一方、高いエネルギー準位の電子が、外部から特定の波長の光を照射されることで、同じ波長、同じ方向の光を放出しながら低いエネルギー準位に移ることがあります。これが誘導放出です。外部から照射された光と全く同じ性質の光が放出されるため、光が増幅されたように見えます。

レーザー装置では、この誘導放出を連続的に発生させることで光を増幅します。物質にエネルギーを供給し続けると、高いエネルギー準位の電子が多く存在する状態を作り出すことができます。そこに光を往復させることで、誘導放出を繰り返し発生させ、強力なレーザー光を作り出すのです。

現象 説明
自然放出 電子が高いエネルギー準位から低いエネルギー準位に移るときに、エネルギー差に相当する光を放出する現象。
誘導放出 高いエネルギー準位の電子が、外部から特定の波長の光を照射されることで、同じ波長、同じ方向の光を放出しながら低いエネルギー準位に移る現象。光が増幅される。

レーザー媒質の種類

レーザー媒質の種類

– レーザー媒質の種類レーザー光を作り出すためには、レーザー媒質と呼ばれる物質が必要です。レーザー媒質の種類によって、出力や波長などのレーザー光の特性が変わってきます。レーザー媒質には、大きく分けて気体、液体、固体、自由電子の4つの種類があります。気体をレーザー媒質に用いるレーザーは、気体レーザーと呼ばれます。気体レーザーの代表例としては、ヘリウムネオンレーザーや炭酸ガスレーザーなどが挙げられます。気体レーザーは、他のレーザーと比べて装置の構造が簡単であり、小型で扱いやすいという特徴があります。液体をレーザー媒質に用いるレーザーは、液体レーザーと呼ばれます。液体レーザーの代表例としては、色素レーザーが挙げられます。色素レーザーは、使用する色素を変えることで、幅広い波長のレーザー光を作り出すことができます。このため、色素レーザーは波長可変範囲が広いというメリットがあります。固体をレーザー媒質に用いるレーザーは、固体レーザーと呼ばれます。固体レーザーの代表例としては、ルビーレーザーやヤグレーザーなどが挙げられます。固体レーザーは、高いエネルギーを蓄積することができるため、高出力のレーザー光を得ることができます。自由電子レーザーは、原子から飛び出した自由電子を利用したレーザーです。自由電子レーザーは、他のレーザーとは異なり、物質に束縛されていない自由電子を用いるため、非常に幅広い波長のレーザー光を作り出すことができます。このため、自由電子レーザーは波長可変範囲が非常に広いという特徴があります。このように、レーザー媒質には様々な種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。レーザーの用途に応じて、適切なレーザー媒質を選ぶことが重要です。

レーザー媒質の種類 説明 代表例 特徴
気体レーザー 気体をレーザー媒質に用いる ヘリウムネオンレーザー、炭酸ガスレーザー 装置の構造が簡単、小型で扱いやすい
液体レーザー 液体をレーザー媒質に用いる 色素レーザー 使用する色素を変えることで幅広い波長のレーザー光を作り出すことが可能、波長可変範囲が広い
固体レーザー 固体をレーザー媒質に用いる ルビーレーザー、ヤグレーザー 高いエネルギーを蓄積できる、高出力のレーザー光を得ることができる
自由電子レーザー 原子から飛び出した自由電子を利用する 物質に束縛されていない自由電子を用いる、非常に幅広い波長のレーザー光を作り出すことが可能、波長可変範囲が非常に広い

レーザーの応用

レーザーの応用

レーザーは、指向性や単色性といった優れた特性を持つ光であり、その応用範囲は多岐に渡ります。医療分野においては、レーザーメスとして外科手術に革命をもたらしました。その高いエネルギーは、組織を正確に切開や蒸散することを可能にし、出血量を抑えた低侵襲な手術を実現しました。また、近視や乱視の治療では、角膜をレーザーで削り、屈折率を調整することで視力矯正を行います。

通信分野においても、レーザーは現代社会を支える重要な役割を担っています。光ファイバーを用いた高速データ通信は、レーザーの高い指向性と単色性によって実現されています。大量の情報を高速かつ長距離に伝送することを可能にしたレーザー技術は、インターネットをはじめとする情報通信ネットワークの基盤となっています。

製造業においては、レーザーは加工技術に革新をもたらしました。金属の切断や溶接には、高出力レーザーが用いられ、その高いエネルギーは、金属を溶かしながら接合することを可能にします。また、精密加工の分野では、レーザーの高い指向性と単色性を利用し、微細な部品の加工や切削に用いられています。レーザー加工は、その精度と効率の高さから、自動車産業や電子機器産業など、幅広い分野で利用されています。

私たちの日常生活においても、レーザーは欠かせない技術となっています。スーパーマーケットのレジで使われているバーコードリーダーは、レーザー光を照射し、バーコードを読み取っています。レーザープリンターは、レーザー光を感光体に照射することで、高精細な画像や文字を印刷します。このように、レーザーは現代社会の様々な場面で活躍しており、その重要性は今後ますます高まっていくでしょう。

分野 用途 レーザーの特性と利点
医療 外科手術 高いエネルギーによる正確な組織切開・蒸散、出血量抑制、低侵襲手術
医療 視力矯正 角膜の屈折率調整による近視や乱視の治療
通信 光ファイバー通信 指向性と単色性による高速・長距離データ伝送、情報通信ネットワークの基盤
製造 金属加工 高出力レーザーによる金属の切断・溶接
製造 精密加工 指向性と単色性による微細部品の加工・切削、高精度・高効率
日常生活 バーコードリーダー レーザー光によるバーコード読み取り
日常生活 レーザープリンター レーザー光による高精細画像・文字印刷