MRI検査とは？

MRI検査とは？

体の内部を詳しく見るMRI検査

皆さんは、病院で検査を受ける際に「MRI」という言葉を耳にしたことはありますか？ MRI検査は、体の内部を鮮明に映し出すことができる検査です。レントゲン検査のように放射線を使うわけではないので、被曝の心配がなく、安心して受けることができます。

MRI検査では、強力な磁石と電波を用いて、体の様々な組織や器官の違いを、信号の強弱として捉え、画像化します。この検査は、脳や脊髄などの神経系はもちろんのこと、関節や筋肉、内臓など、体の幅広い部位の診断に役立ちます。

例えば、脳梗塞や脳腫瘍などの脳疾患、椎間板ヘルニアなどの脊髄疾患、靭帯損傷や筋肉断裂などの運動器疾患、さらに、肝臓や膵臓などの内臓疾患など、様々な病気の診断に用いられています。

MRI検査は、痛みや苦痛を伴わない検査であるため、体の負担が少なく、安心して受けることができます。検査時間は、検査部位や撮影方法によって異なりますが、30分から1時間程度です。検査中は、大きな音がしますが、検査担当者の指示に従っていれば問題ありません。

MRI検査の原理

– MRI検査の原理磁力と電波が体の内部を描き出す私たちの体は、約60％が水でできており、その水の中にはたくさんの水素原子が含まれています。MRI検査は、この水素原子の性質を利用して、体の内部を詳しく調べる検査です。MRI装置には強力な磁石が搭載されており、検査台に横たわると、体内の水素原子は磁場の影響を受けて一方向に整列します。この状態に、特定の周波数を持った電波を照射すると、水素原子はエネルギーを吸収し、向きが変わります。電波を止めると、水素原子は再び元の状態に戻り、吸収したエネルギーを放出します。この時放出されるエネルギーを信号として捉え、コンピュータで処理することで画像化します。信号の強さや戻ってくるまでの時間差によって、組織の種類や状態を判別することができ、臓器や血管、筋肉、骨など、体の様々な部分を鮮明に映し出すことができます。MRI検査は、X線検査やCT検査とは異なり、放射線被ばくがないため、人体への負担が少なく、安全性の高い検査として広く普及しています。

MRI検査でわかること

– MRI検査で見えるもの

MRI検査は、強力な磁場と電波を用いて体内の状態を画像化する検査です。レントゲン検査のように放射線を使用しないため、被ばくの心配がありません。

MRI検査では、脳、脊髄、関節、筋肉、内臓など、体の様々な部位を詳しく調べることができます。具体的には、臓器や組織の形や大きさ、位置関係を鮮明に映し出すことが可能です。

– MRI検査で診断できる病気

MRI検査は、様々な病気の診断に役立ちます。

-# 脳神経系
脳梗塞や脳出血、脳腫瘍、くも膜下出血など、脳の病気の診断に特に威力を発揮します。

-# 骨関節系

骨や関節の異常、靭帯や半月板の損傷、スポーツによる筋肉の断裂など、整形外科領域の診断にも広く用いられています。

-# 内臓疾患

肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓などの内臓における腫瘍や炎症、子宮筋腫や卵巣嚢腫などの婦人科疾患の診断にも有効です。

– その他

MRI検査は、病気の進行度や治療の効果を判定するためにも用いられます。また、手術前に病変の範囲や位置を正確に把握することで、より安全で効果的な治療計画を立てることも可能です。

このように、MRI検査は現代医療において欠かせない検査と言えるでしょう。

MRI検査のメリット

– MRI検査のメリットMRI検査は、体に優しい検査として知られています。これは、レントゲン検査やCT検査のようにX線を使用せず、強い磁場と電波を利用して体の内部を画像化するからです。そのため、放射線による被ばくの心配がなく、妊婦さんやお子さんでも比較的安心して検査を受けることができます。MRI検査のもう一つのメリットは、骨の影響を受けずに画像化できることです。X線は骨を透過しにくいため、骨に囲まれた脳や脊髄などの臓器は鮮明に画像化することが難しい場合があります。しかし、MRI検査では骨の影響を受けずに画像化できるため、脳梗塞や脳腫瘍、脊髄の病気などの診断に非常に有効です。さらに、MRI検査では、体のあらゆる方向の断面を画像化することができます。これは、CT検査では難しい点です。そのため、臓器のわずかな病変も見逃すことなく発見し、その広がりや形状を立体的に把握することが容易になります。このように、MRI検査は体に優しく、詳細な画像診断が可能な検査です。そのため、様々な病気の早期発見・早期治療に大きく貢献しています。

MRI検査のデメリット

– MRI検査のデメリットMRI検査は、強い磁場と電波を用いて身体の内部を詳しく調べる検査ですが、いくつか注意すべき点があります。まず、体内に金属があると検査を受けられない場合があります。これは、ペースメーカーや人工関節などの医療機器が磁場の影響を受けて誤作動を起こしたり、体内で金属が熱を持ってしまったりする可能性があるからです。検査前に、金属製のアクセサリーや入れ歯、補聴器などはすべて外す必要があります。次に、MRI装置は大きなトンネルのような形をしています。そのため、狭い場所が苦手な方や閉所恐怖症の方は、検査中に不安や恐怖を感じることがあります。場合によっては、あらかじめ医師に相談して、リラックスできる薬を処方してもらうなどの対策が必要となることがあります。さらに、MRI検査は他の画像検査と比べて時間がかかるという点も挙げられます。検査時間は、検査部位や撮影方法によって異なりますが、30分から1時間程度かかることも珍しくありません。検査中は、装置が動いている間は動かないようにじっとしていなければなりません。そのため、小さな子どもや、じっとしていることが苦手な方にとっては、負担が大きくなってしまう可能性があります。このように、MRI検査は安全性の高い検査ではありますが、いくつかデメリットも存在します。検査を受ける前に、医師から検査内容や注意点についてしっかりと説明を受け、不安なことがあれば相談するようにしましょう。