ウラン廃棄物

原子力の安全

原子力発電と低レベル廃棄物

- 低レベル廃棄物とは原子力発電所では、日々の運転や設備の点検、そして最終的な解体作業など、様々な工程で廃棄物が発生します。これらの廃棄物の中には、放射線を出すものがあり、放射性廃棄物と呼ばれます。放射性廃棄物は、その放射能の強さによって、大きく高レベル放射性廃棄物と低レベル放射性廃棄物の二つに分類されます。高レベル放射性廃棄物は、主に使用済み核燃料を再処理する過程で生じる廃液などが該当します。非常に高い放射能レベルを持つため、人の健康や環境への影響を考慮し、厳重な管理と処分が必要となります。一方、低レベル放射性廃棄物は、高レベル放射性廃棄物以外のものを指し、原子力発電所の運転や保守、施設の解体作業などで発生します。具体的には、作業員の被爆を防ぐために着用した作業服や手袋、放射性物質を除去するために使用したフィルター、施設内の配管の一部などが挙げられます。これらの廃棄物は、放射能レベルが比較的低いため、適切な処理を施すことで、環境への影響を抑制できます。低レベル放射性廃棄物は、その性状や放射能レベルに応じて、さらに細かく分類され、それぞれに適した処理方法が選択されます。例えば、放射能レベルの低いものは、圧縮や焼却などによって減容化し、保管しやすいように処理されます。また、放射能レベルの高いものは、コンクリートなどを使って固め、ドラム缶などに封入した後、厳重に管理された施設で保管されます。
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知られざる廃棄物:ウラン廃棄物

ウラン廃棄物とは、原子力発電所で使う燃料を作る際に発生する放射性廃棄物を指します。原子力発電では、発電所から出る使用済み核燃料に注目が集まりがちですが、実は燃料となるウランを加工・濃縮する段階でも、放射性廃棄物は発生しています。 ウランは天然に存在しますが、そのままでは原子力発電の燃料として使用できません。 ウラン鉱石を掘り出した後、発電で利用できる形に加工する必要があります。まず、採掘されたウラン鉱石から不純物を取り除き、ウランの含有量を高める精錬という工程があります。次に、ウラン235の濃度を高める濃縮工程を経て、燃料ペレットと呼ばれる小さな円柱状に加工されます。 これらの工程では、ウラン鉱石から不要な成分が取り除かれますが、その際に放射性物質を含む廃棄物が発生します。 これがウラン廃棄物と呼ばれるものです。 ウラン廃棄物は、使用済み核燃料ほど強い放射能レベルではありませんが、長期間にわたって放射線を出し続けるため、環境や人体への影響を考慮した適切な処理と管理が必須です。