ウラン資源

核燃料

原子力発電の未来を支える資源:SRとは?

エネルギー資源の中でも、将来のエネルギー政策において重要な役割を担うと考えられているのが原子力発電です。原子力発電の燃料となるウランは、その利用可能性を評価する上で、資源量の把握が欠かせません。ウラン資源は、その存在の確実性や経済性に基づいて、いくつかの段階に分類されます。資源量評価の段階には、埋蔵量や資源量など様々な区分がありますが、中でも将来的な可能性を秘めた資源として注目されているのが、「推定追加資源量(SRSpeculative Resources)」と呼ばれるものです。SRは、既存の鉱床周辺や地質学的データに基づいて、さらに資源が存在する可能性が高いと推定される地域における資源量を指します。これらの地域は、まだ探鉱が十分に行われていない場合が多く、今後の探査活動次第では、資源量がさらに増加する可能性を秘めています。SRは、将来のウラン供給の安定化に寄与する可能性を秘めた資源として、世界各国でその存在が注目されています。日本においても、エネルギーセキュリティの観点から、SRを含めたウラン資源の確保に向けた取り組みが重要となっています。
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原子力発電の将来を支えるウラン資源:EARとは?

原子力発電の燃料となるウランは、地下に存在する資源量と採掘のしやすさによって、いくつかの段階に分類されます。資源量は、既に確認されているものから、存在する可能性があるものまで、様々な段階に分けられます。それぞれの段階は、調査の進捗度合いと確実性を表しています。 確認資源量は、調査や分析によって、その存在量や品質が明確に把握されているウラン資源を指します。採掘技術や経済状況を考慮した上で、商業的に採掘可能なウラン資源がこれに該当します。一方、EAR(推定追加資源量)は、2003年まで経済協力開発機構原子力機関(OECD/NEA)と国際原子力機関(IAEA)の共同調査で使用されていた分類です。EARは、確認資源量ほどは調査が進んでいないものの、地質学的特徴からウランの存在が推定される資源量を指します。つまり、確認資源量と比べると、存在の確実性は低いものの、将来的な資源としての期待が持たれています。 しかし、EARは、その評価方法に不確実性が伴うことから、2003年以降は使用されなくなりました。現在では、資源量の評価には、より精度の高い手法が用いられています。資源量の分類は、世界のエネルギー需給やウラン価格の動向を左右する重要な要素であるため、今後もより正確な評価方法が求められます。
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ウラン鉱: 原子力の源をたどる

- ウラン鉱とはウラン鉱とは、その名の通りウランを含む鉱物のことを指します。ウランは、原子力発電の燃料として利用される放射性元素です。私たちの生活に欠かせない電気エネルギーを生み出す原子力発電ですが、そのエネルギー源であるウランは、このウラン鉱から抽出されます。現在、世界中で200種類以上ものウランを含む鉱物が発見されています。しかし、これらの鉱物のすべてがウランの原料として利用できるわけではありません。 実際にウランの原料として利用できる鉱物は、ほんの一握りです。 なぜなら、ウラン鉱からウランを抽出するためには、ウランの含有量が多いことや、抽出が容易であることなど、いくつかの条件を満たしている必要があるからです。これらのウラン鉱は、地中の特定の場所や条件下で、非常に長い年月をかけて形成されます。 例えば、花崗岩などの火成岩や堆積岩中に、ウランを含む熱水が入り込むことで、ウラン鉱が濃集することがあります。 また、地層中の微生物の活動によってウランが濃集する場合もあります。このようにしてできたウラン鉱は、採掘され、様々な工程を経て原子力発電所の燃料となります。