カダラッシュ研究所

原子力施設

SCARABEE:高速炉の安全研究を支える実験炉

フランス南部にあるカダラッシュ研究所に設置されたSCARABEEは、プール型の原子炉です。1982年の運転開始以来、高速中性子炉、とりわけ高速増殖炉の安全性に関する研究において中心的な役割を果たしてきました。高速炉は、将来のエネルギー需要を満たす可能性を秘めた原子炉として期待されています。 SCARABEEは、高速炉の安全性に関する様々な状況を模擬できる実験炉です。例えば、炉心冷却材の喪失や炉心内の出力分布の異常など、高速炉特有の事象を模擬した実験を行うことができます。これらの実験を通して、高速炉の安全性を向上させるための貴重なデータを取得してきました。 フランスは、長年にわたり高速炉の開発と研究に力を入れてきました。SCARABEEはその中心的な役割を担っており、そこで得られた研究成果は、次世代の高速炉の設計や安全基準の策定に大きく貢献しています。SCARABEEは、フランスのみならず、世界の高速炉の安全研究をリードする重要な施設といえるでしょう。
原子力施設

原子炉安全研究の立役者 CABRI炉

フランス南部にあるカダラッシュ研究所は、原子力の技術開発において世界をリードする重要な役割を担っています。この研究所の中でも特に注目すべき施設の一つにCABRI炉があります。CABRI炉は、原子炉の安全性を評価するための実験を行うために特別に建設された原子炉です。1963年から稼働している歴史あるCABRI炉は、プールタイプと呼ばれる構造を持つ熱出力25MWの原子炉です。原子炉の安全性を評価する上で重要なのは、万が一の事故を想定した際に燃料がどのように振る舞うかを詳細に把握することです。CABRI炉は、原子炉の燃料の挙動を詳細に調べるために設計されており、燃料に急激な変化を加えた際にどのように変化するのか、周囲にどのような影響を与えるのかを調べる実験などが行われています。このような実験を通して得られたデータは、原子炉の設計や安全基準の策定に役立てられ、世界中で稼働する原子炉の安全性の向上に大きく貢献しています。