カルタヘナ議定書

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カルタヘナ議定書:遺伝子組換え生物の安全な移動のために

- 遺伝子組換え生物の国際移動を規制する枠組み 近年、医療、農業、工業など様々な分野で遺伝子組換え技術が利用され、それに伴い遺伝子組換え生物(LMO)の国境を越えた移動も増加しています。 しかし、LMOが本来その地域に生息していない生物と交雑したり、競合したりすることで、生物多様性に悪影響を与える可能性も懸念されています。 このような背景から、LMOの国際移動を規制し、生物多様性の保全と持続可能な利用を目的とした国際的な枠組みとして、カルタヘナ議定書が2000年に採択されました。 この議定書は、生物多様性条約に基づいており、1995年から5年間にわたる国際交渉を経て成立しました。 カルタヘナ議定書では、LMOの輸出入に関する手続きや、リスク評価、情報共有、緊急措置などについて、国際的に協力して取り組むことが定められています。 また、LMOを輸入する国は、自国の生物多様性を守るために、輸入の可否を判断する権利を有しています。 カルタヘナ議定書は、LMOの潜在的なリスクから地球全体の生物多様性を守るための重要な枠組みとして、国際社会全体でその実効性を高めていく必要があります。
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クアラルンプール宣言:生物多様性保護への道筋

2004年2月、マレーシアの首都クアラルンプールにおいて、地球全体の生物の多様性を守ることと、その多様性を将来にわたって利用し続けられるようにすることを目指した重要な会議が開かれました。これは、生物の多様性に関する条約を結んでいる国々が集まる会議と、遺伝子組み換え生物の利用と移動に関するカルタヘナ議定書を結んでいる国々が集まる会議が、同時に同じ場所で行われたという画期的な出来事でした。 会議の最後には、各国の代表として大臣級の人々が集まる会合が開かれました。そこでは、生物多様性条約で定められた目標を達成するために、どのような課題があり、どのように取り組んでいくべきかについて話し合いが重ねられました。そして、その結果として採択されたのがクアラルンプール宣言です。これは、生物多様性の保全と持続可能な利用に向けて、国際社会が協力して取り組んでいくことを力強く表明したものでした。