ガイガー・ヌッタルの法則

放射線について

アルファ線の基礎知識

- アルファ線とはアルファ線は、目に見えないエネルギーの波である放射線の一種で、アルファ粒子と呼ばれる粒子の流れを指します。では、アルファ粒子とは一体どのようなものでしょうか。アルファ粒子は、プラスの電気を帯びたヘリウム原子核と全く同じ構造を持っています。ヘリウム原子核は、陽子2個と中性子2個がぎゅっと結びついてできており、非常に安定した構造をしています。 この安定した構造こそが、アルファ線が物質と強く相互作用し、短い距離でエネルギーを失ってしまう性質に繋がっています。つまり、アルファ線は空気中を進む場合でも数センチ程度しか届かず、薄い紙一枚で止まってしまうのです。この性質のため、アルファ線は外部被ばくという観点ではあまり危険ではありません。しかし、体内に入ってしまうと、周囲の細胞や組織に集中的にエネルギーを与え、大きな影響を及ぼす可能性があります。そのため、アルファ線を出す物質を扱う際には、体内被ばくを起こさないよう、細心の注意を払う必要があります。
放射線について

α線の基礎知識

α線は、アルファ粒子とも呼ばれ、プラスの電気を帯びた粒子線です。α線は物質を透過する力は弱いですが、電離作用が強い性質を持っています。 α線の正体は、ヘリウム4の原子核そのものです。原子核は陽子と中性子で構成されていますが、ヘリウム4の原子核は陽子2個と中性子2個が結合した状態です。 不安定な原子核は、より安定な状態になろうとして、放射線を放出する現象を起こします。これを放射壊変と呼びますが、α線を放出する放射壊変をα壊変と呼びます。α壊変によって、原子核はα線としてヘリウム4の原子核を放出します。 α壊変が起こると、原子核の陽子の数は2個減り、中性子の数も2個減ります。そのため、α壊変を起こした原子は、原子番号が2減り、質量数が4減った別の原子に変化します。 例えば、ウラン238はα壊変すると、トリウム234へと変化します。α壊変は、ウランやラジウムなど、原子番号の大きな放射性元素でよく見られる現象です。