ガンマー線

放射線について

様々な用途を持つコバルト60線源

- コバルト60とはコバルト60は、原子番号27番のコバルトという金属元素の一種です。原子番号は同じですが、原子核の中にある中性子の数が異なるため、コバルト60はコバルト59とは異なる性質を示します。自然界に存在するコバルトは、ほとんどが安定したコバルト59です。これは、放射線を出すことなく、ずっとそのままの状態を保ち続けることを意味します。一方、コバルト60は人工的に作り出された放射性同位体です。原子炉の中で、安定したコバルト59に中性子をぶつけることで、コバルト60を作り出すことができます。コバルト60は不安定な状態のため、時間とともに放射線を放出して安定なニッケル60へと変化していきます。コバルト60が放出する放射線は、ガンマ線と呼ばれる強いエネルギーを持った電磁波です。このガンマ線は、物質を透過する力が非常に強く、医療分野ではガン治療や医療機器の滅菌などに利用されています。また、工業分野では、製品の内部の検査や材料の改質などにも利用されています。コバルト60は、このように様々な分野で利用されていますが、放射線を持つ物質であるため、適切に取り扱わなければ健康に影響を与える可能性があります。そのため、コバルト60は、法律に基づいて厳重に管理されています。