コークス

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製鉄に欠かせない資源:粘結炭

- 粘結炭とは石炭と聞いて、黒く硬い燃料を思い浮かべる人は多いでしょう。しかし、石炭は一種類ではなく、その性質は含まれる炭素の量によって大きく異なります。粘結炭は、石炭の中でも特に重要な役割を担う種類の一つです。石炭は、炭素の含有量が少ないものから順に、褐炭、瀝青炭、無煙炭と分類されます。粘結炭は、このうち瀝青炭に属し、およそ70〜75%の炭素を含んでいます。粘結炭最大の特徴は、加熱するとまるでチョコレートのようにドロドロに溶け、冷えると再び固まる性質を持つことです。この性質を利用して作られるのが、製鉄の過程で欠かせない「コークス」です。粘結炭を加熱すると、溶けて塊となった後、さらに温度を上げることで余分な成分が取り除かれ、多孔質で強度の高いコークスへと変化します。 製鉄の現場では、このコークスが高炉に投入され、鉄鉱石を溶かすための燃料や還元剤として活躍しているのです。このように、粘結炭は単なる燃料ではなく、製鉄という重要な産業を支える、なくてはならない資源と言えるでしょう。
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エネルギー社会の立役者:二次エネルギー

私たちが日々、電気やガスなどとして消費しているエネルギーは、実はそのままの形で自然界に存在しているわけではありません。石油や石炭、天然ガスといった資源は「一次エネルギー」と呼ばれ、これらは言わばエネルギーの原材料のようなものです。 これらの一次エネルギーは、そのままでは私たちにとって使い勝手が悪く、日常生活で活用するには不向きです。例えば、石油はそのままでは自動車の燃料として使えませんし、石炭を燃やして暖を取るにも限界があります。 そこで、私たちが使いやすい形にエネルギーを変換する必要があります。この過程で生み出されるのが「二次エネルギー」です。 発電所では、石油や石炭、天然ガスなどの一次エネルギーを熱エネルギーに変換し、さらに電気エネルギーへと変換しています。こうして作られた電気エネルギーは、送電線を通じて家庭や工場に届けられ、私たちの生活を支えています。 エネルギーの形を変える技術は、私たちの生活を豊かにするために欠かせないものです。そして、エネルギーを効率的に変換し、無駄なく使うことが、地球環境を守る上でも重要になってきます。