セラミックス

核燃料

材料の隙間:ポロシティとは?

物質を構成する要素は、その目に見える部分だけではありません。物質内部には、目には見えない小さな空間が存在し、その空間こそが物質の性質を理解する上で重要な役割を担います。このような物質内部の空間の割合を示す指標が「ポロシティ」です。 ポロシティは、物質全体に占める空隙の体積比率を表し、値が大きいほど空隙が多いことを示します。例えば、スポンジのように多数の空隙を持つ物質はポロシティが高く、逆に鉄のように緻密な構造を持つ物質はポロシティが低くなります。 ポロシティは、物質の強度、熱伝導率、透過性など、様々な物性に影響を与えます。例えば、断熱材として用いられるセラミックス材料では、内部に多くの空隙が存在することで熱伝導率が低下し、高い断熱効果を発揮します。また、フィルターとして使用される多孔質材料では、空隙の大きさや形状を制御することで、特定の大きさの粒子のみを通過させることが可能になります。 このように、ポロシティは物質の性質を理解し、材料設計を行う上で非常に重要な指標と言えるでしょう。
その他

セラミックガスタービン:高効率エネルギー変換の未来

- セラミックガスタービンとはセラミックガスタービン(CGT)は、その名の通りセラミック材料を用いたガスタービンです。従来のガスタービンは高温に耐えられる金属で作られていましたが、CGTではさらに高温に強いセラミック材料をタービンの高温部に使用しています。では、なぜセラミック材料を使うと良いのでしょうか?ガスタービンは、高温の燃焼ガスでタービンを回転させて発電機を動し、電気を作り出します。この時、タービン入口温度が高いほど熱エネルギーを効率的に電気に変換できます。しかし、従来の金属材料では耐えられる温度に限界があり、効率向上には限界がありました。セラミック材料は金属材料よりもはるかに高い温度に耐えることができるため、タービン入口温度を大幅に上昇させることが可能となります。その結果、発電効率が向上し、燃料消費量も抑制できるため、環境負荷低減にも繋がります。CGTはまだ開発段階ですが、実用化されれば発電の効率性や環境適合性を大きく向上させる可能性を秘めています。